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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1901年、サンクト・ペテルブルク
117/350

20世紀

 鳴り止まない花火、鳴り始める聖堂の鐘の音。

 銅製の鐘は僕の故郷のそれより大きく、はるかに低く重く響き渡っている。


 日が変わり、20世紀が始まる。


 僕がロシアで迎える、7度目の新年。

 家路を急いでいた僕が何をしているのかと言うと、官憲の尋問を受けていた。

 ――官憲?

 思わぬ直観に、その根拠を探す。


 無個性な、目立たない三人組。

 この日この時間にご苦労なことだ、と少しだけ思う。

 ロクなことじゃないのは察しがつくけど、それを今言い出しても始まらない。


 組織か宮廷か、それとも官憲か。

 候補の内、宮廷は消してよさそうだ。

 無意味な行儀を守ることにかけては、あそこの逸材は豊富だった。

 街中は、いかにも人目につきすぎる。


 組織。これについてはよく分からない。

 街中での唐突な尋問。

 いかにも乱暴ではあるけれど、一般市民と言っていい服装はそれに似つかわしくない。ひとまず保留。


 となると、消去法と言うには微妙だけど、官憲だろうか。

 目立たない服装にしても、地元の人員ならそれくらい、いくらでも都合がつく。


 この場で分かるのは、せいぜいそれくらいだ。

 ……空腹に負け、僕はそれ以上の思考を放棄する。



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