07. 謎の少女あらわる!?
題名つけるの難しいですね…………はっちゃけてみましたけど、無理だ……
陥没したところの中心付近はまだ砂ぼこりが巻き上げていて、どうなったかは確認できていない。
観客席にいたギリヤとアリアが、中に踏み込もうとしたとき鬼火が集まってきて人形を取った。その光景を不思議に思っていると、鬼火の火が消え巫女服の少女が現れた。容姿はこの世界に現れたときのユキと全く同じで少しも差がなかった。
「どなたかは知らぬが、我が主様は今眠っておられるゆえ何人たりとも近寄らせはせぬ。……じゃが、一人例外がおるのぅ。そこの娘よ、名はなんじゃ?」
いきなり白羽の矢がたってしまったアリアはビクリとしてしまい何も言えそうになかった。すると、困ってしまったアリアを見て焦って、
「別に危害や文句を言うつもりはない。そなたから、我が主様の雰囲気が感じられてのぅ。それで、そなたならば任せられるだろうと考えたわけじゃ。」
「それならよかったです。私はアリアと言います。それであなた様のお名前は……?」
そう聞かれた少女は申し訳なさそうにしていた。
「すまんのぅ。ついさっき我が主様が作り上げたゆえ名前がないのでなぁ。後程、主様に着けていただくとしようかのぅ。」
それから、アリアとその少女はユキが倒れている場所に向かった。ギリヤは、外から見守るしかなく無力感に悩みながらも、ユキの身を案じる少女に立ち向かってもどうすることもできないといと、自己完結してしまった。
ユキの状態はただ疲れて寝ている風に見えたのがアリアの印象だった。が、その印象はすぐに消え去ることとなった。ユキが変えていた外見がボロボロと崩れていき、結局は元の外見に戻ってしまったからだ。
ユキの使っていた外見の変更は魔力によって維持されているのだが、今回は殆どの魔力を使いきってしまったために元の状態になってしまったからだ。
何故普段は崩れないかと言うと、ユキ自体の魔力が半端なく高いうえに、維持する魔力はユキにとっては大海の一滴の水にしかならないのだ。だが、他の者が行うと一分も持てば良い方となる。ここからも、ユキの化け物じみた状態が丸わかりだが、本人には誰でもできると考えているそうだ。
兎も角そんなことはおいておいて、外見がもとに戻ったユキをつれて一度帰ることになった。
ギリヤたち一行がユキを家に連れて帰っている頃冒険者ギルドでは・・・
年端もいかぬ小さな女の子がギルド試験を受けるときいて、闘技場のモニタリングを始めていた。だが、規定外の発展に怒り、ノーライフキングとの戦闘も見ていたのだ。
これまでかつてノーライフキングは対パーティーのモンスターとして認識されていたために、全員が全員闘技場のドアへ駆けつけたが、魔法によるロックがかかっており入れず、妨害したいのをこらえて見ているしかなかったのだ。それでもノーライフキングを圧倒し倒したユキに賞賛の声が上がり、ギルドマスターは史上初かつ、最速記録を打ち付けることになる、ユキのSSランクの登録を決心したのだった。
場面は戻りユキたちは・・・
アリアと件の少女がユキの部屋となる、クリスさんが装飾した部屋の机に座って向き合い、件の少女が、話をしていた。
「我は気がついたときから主様の隣にいてのぅ。そなたら人間の言葉にするとするならば精霊と呼ぶべき存在なのかもしれんのぅ。まぁ気がついたのが森の中で主様が湖に御身を写しているときだったからのぅ。そのあとはまだそのときは見えていなかったらしくてなぁ。さっきやっと主様の制御からはなれた鬼火の力を使って可視化したんじゃ。そいで今に至ると言う訳じゃ。」
アリアはよくわかっていないが、実はこの少女もといこの精霊はかなり上位の精霊でありながら、自らの属性がわかっていないという謎ばかりが目立つ精霊なのだ。
とまあ、二人の少女が色々と話しているうちにベットの方から光が溢れてきた。突然のことなので二人は身構えてしまったが、発光源がユキなのを見て駆け寄っていった。
ユキは苦しみもせずよくわからない状況であったのを見て、アリアはあたふたしていたが、精霊の少女はこの現象に対しての知識があった。
この世界の精霊や魔物、人間など全ての種族は元から上位種だとか、どうかというのは決まっておらず、その体と魔力、実力とレベルが合わなくなったとき、それに見合う上位種へと進化する。精霊の少女はこの事を思い出したのだ。
しかし、人間はこの事を知らない。何故ならば、人間が進化したことなど一度も見たことがないからだ。それに人間が進化したことも無いのだ。
光の中でユキはその名の通り雪みたいに真っ白になっていった。体は人のままだがこの分だと、おそらく元の九尾の狐状態になっても真っ白なままだと考えられた。
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あれ?ここはどこだろう?女神さんと話したことのあるあの白い場所のように見えるけど……
「もしかして、死んじゃったの!?」
と驚くしかなかった。だって、前に来たときは死んだ状態だったし……
「ごめんなさいね。いきなり呼んじゃって。それと、貴女はまだ死んでないわよ。安心しなさい。」
あの女神だった。今まであたふたさせられた分殴って良いよね?
「女神さん!一発殴らせろぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!」
「あっ!やな予感!にっげるー!が勝ち!」
と言ってどちらも体力がなくなるまで……っていっても女神には体力などという概念が無いためユキの体力の限界までだが。
「はぁはぁ、な、殴れなかった……」
「鬼ごっこが終わりましたし、本題に入らせて頂きますね。まずあなたには、未踏の地と呼ばれる場所に行き、全ての地を制圧してほしいのですが……それ相応のレベルになってほしいので、良い時期にまたお呼びします。それと、今あなたには半神化という形で進化していただきます。神の力はあまり使えないかもしれませんが、頑張ってください。
ところで、何故こんなにレベルが上がっているのですか?何か大物でも殺りましたか?」
「ノーライフキングをざっくりと先ほど。」
女神さんは驚いていたが、ある程度納得したようで、
「まぁ、貴女ならば勝ててもおかしくはないですね。あぁ、忘れていましたが、前に連絡したときに勝手に通信を切られたので、私からのお仕置きということでけもみみ少女の状態で一週間過ごしてねー。こっちから設定しとくから!じゃあ頑張ってねー!」
ふざけたことを言われて言い返そうとしたが、その前に目の前が白んでいった。
「……キちゃ……………………たよね?」
「うむ。そう………………のぅ。……………………してみる…………。」
一人はアリアだとわかったが、もう一人は誰だろう?そう思っていると、なんとも言いがたい、体の芯からぞぞぞっとくるものに耐えきれず笑い出してしまった。
「ユキちゃん起きた?」
「おはようアリアちゃん。えっと……むやみやたらに私ににてるこれって……………………ついに立体的な鏡でもできたの?」
といいながらこねくりまわしてみると、
「主様!くすぐったいのじゃ!」
…………遂に幻覚まで見るようになってしまったか…………
「ごめん、アリアちゃん。ちょっと体調が悪くて幻覚を見るようになっちゃったから、もう一回寝るね。」
布団をかけつつ言って寝ようとした。
「主様!それはさすがに我に対してないとおもうのじゃが。」
「ユキちゃん、幻覚じゃないから起きて!起きないと尻尾もふるよ!九本まとめて!」
アリアちゃん。もう、大人になっても生きていけると思うよ、お姉ちゃんは。ただの脅迫かと思ったら実行してきたので、なんとか押さえつけて、話を聞くことにした。
「・・・というわけでのぅ、よろしく頼むぞ!主様!」
意味がわからないが、すごい存在が自分の近くに現れたということがわかった。
「それでの、主様。名前をもらいたいのじゃが…………。」
「うーん…………名前かぁ。何か希望でもあるの?」
「そうじゃな。主様の名前から一文字もらいたいのじゃ。ダメかのぅ?」
名前から一文字かぁ…………うーん、なにがいいかな?自分の名前がユキで、季節語だしいっそアキとか?でもなぁ…………
「ふむ、アキか。主は良い名前を考えてくれるのぅ。我は気に入ったぞ。アキという名前は。」
「えっと……声に出してた?」
「出してなかったよね?何でわかったの?」
「ふむ、我は主様の妖術の力を使って体を作ったんじゃよ?言わば本物の一卵性双生児と同じようなもんじゃ。だからだいたいわかっちゃうのだよ。」
「じゃあ、アキね!よろしくね!」
「よろしくのぅ、主様よ。」
こうして、ユキは自らの異変に気づくことなくこの日を終えようとしていたのだった。
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女神「鬼ごっこ疲れた・・・」