05. 悪ふざけ
やはり異世界と言うべきでしょうか。食べ物が見知らぬものばかり出てきて、ビックリしましたがどれもこれも美味しかったです。
なんて食レポに走るのはやめて、現状に目を向けたいと思います。微動たりとも出来ません。……縛られてるとか言うことではなく、前からアリアちゃんに抱きつかれてしまっていますから。
何でこうなった……
数刻前・・・・・・
「ごめんね、ユキちゃん。寝る場所を用意できてなくて…… もしよかったら、アリアと寝てもらってもいい?」
「いきなり押し掛けてしまったのだから、仕方がないですよ。アリアちゃんが良ければ私は何も。」
と、アリアちゃんはどうかと聞いてみると、
「ウェルカムユキちゃん!夜は女の子の秘密のお話会といきましょうよ!寝かせないよ!」
と言うことがあってベットを一緒に使っています。
初めは、この村のことや学校のこと冒険者と言う話を聞いていました。学校か~いいなー。
私は何も話すことがないので、ずっと聞きに回っていました。色々なことをニコニコと話してくれるアリアちゃんがスッゴクかわいかったです。
そういえばの学校です。なにやらこの自由国家とやらは相当お金持ちの国らしくて日本で言う高等学校まで、お金を出してくれるのだそうです。そこで、国のことや算術、語学に魔法、精霊術、剣術などをおしえてくれ、大学に当たるところはひとつしかなくて、優秀な生徒を特待として入学してもらい、そこで研究に励んでもらうと言うようなことらしいです。スゴいですよね!大学までいきたい!
「そう言えば、ユキちゃんて何歳なの?」
「年齢は……余り言えないかな。じゃあ逆にアリアちゃんはお姉ちゃんと妹どっちがほしい?」
「どっちもー!」
ワガママな子です。アリアちゃんは。
「分かったよ。じゃあお休みなさい。」
さっき使えることが分かった睡眠の魔術で寝むらせてあげました。
それからは、自分の見た目の変更ですね。姉も妹も欲しいとなったら、どっちにもなれると思う双子のように似せてみた。これも、あの女神が
『この技術渡しとくから好きなときに使って』
と教えてくれたが使うとは思っていなかったのだ。双子と言ってもなぁ……色々あるし、ドッペルゲンガーとか言う無茶苦茶似てる状態にして、明日の朝ビックリさせるのもいいけども……
うんうん悩むこと一時間余り。体の造形から顔の形まではすべて同じで、違うと思われるのは目元だけにしておいた。アリアちゃんは少しだけ目尻が上を向いているが、私は少しだけたれ目な感じにすることで違いが出るだろうと考えて変えてみた。
うん。完璧!明日のみんなの反応が気になる!けどもう寝よう。
と思って目を閉じたとたんに目の前が真っ白になった。
『一日目お疲れ様!どうですか?異世界は。私のお仕事さえしてくれればどんなにのんびり過ごしたって良いのだから。』
例のあの女神様ですね。はい。
「もし仮に俺がこの世界に住み続けたいといった場合はどうなるんだ?」
『そうですね~。今はあなたの向こうの体は人類ではわからない完全凍結によって維持されています。で、あなたがこの世界を望んだ場合は向こうには疑似精神をいれて、今まで通りっぽく生活してもらい、あなたはこの世界で自由を満喫することだって出来ますよ。まぁ、今すぐ決めること出はないので……』
「……完全凍結って、聞いてないんだけど……」
『これもいい忘れてました!なので、怒らないで下さい!』
はぁ、よくわからなくなってきているけれどもこのまま生活していくしかないからなぁ……
『あと、もしあなたが仕事を終わらせて帰りたいと言うのであるならば、あなたは向こうの世界から消えることになるでしょう。まぁ、どちらにせよ貴女の好きなようになさってください。』
そう言われたとたんにだんだん白い世界に色がついてきた。
『そろそろお目覚めの時間ですね。また近々会いましょう。よい生活を。』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うーん。よく寝た!あれ?動けない?と思って見てみるとアリアちゃんが、抱き付いていました。冒頭のとおりですね。で、やっぱりおどろかしたかったので、狐のちっちゃいバージョンになって、すり抜けてきました。 造形を変えたからやはり驚かすためには一番先に起きて、驚かすところまで驚かせなければ!
自分で何を言っているのか良く分からないがまぁ、そういうことだろう……どう言うことだ?っていう質問は無しだからな!
で、台所にも人がいなさそうだから、朝御飯でも作ってあげますかね。
うーん。この家は結構お金持ちなのでしょうか?日本でも見ないようないい素材が一杯見えますが……
まぁ、朝の定番と言えばパンと目玉焼きとベーコンかなー。もっと他にもあるかもしれないけれども、みんな朝はどれくらい食べるかわらないから一人パンは二枚ずつにしようかな~。
そういいながら私は日本では小麦と言いそうな物を磨り潰して粉にして、水を加えながら確りと揉んでいきます。やはり、オーブンなるものはなく、すこし暖めたあとに、暖炉に石板にのせて入れれば思っているものができそうです。
卵焼きは、倉庫のなかに食用卵とかいてある箱から卵を数個拝借してこれは家の中にある石台の上で、鬼火をつけてその上で焼いています。パンもこうすればよかった……
ちなみにベーコンもお肉を薄切りにして代用しました。
「アリア!まだ、台所には入っちゃダメって言ってあったで……うーん?なんか違う気がするのよねぇ?何かの気のせいかしら?」
スゴい!目元だけしか変えていないのに怒っている途中で気がつき始めた!
「うーんと……確かアリアは、つり目っぽかったのよねぇ。だとすると、ユキちゃんかしら?けど、ユキちゃんはもっとこう、アリアより少しちっちゃくて可愛い感じだったような……」
なんか、本気で悩み始めてしまったクリスさんに声をかけた。
「クリスさん!ユキですよー。正解です!」
そうするとがばっとこっちを向いて、
「えぇぇぇぇええ!?やっぱりユキちゃんなの?まって、どう言うこと?えっとえっと……あなたー!大変よー!アリアが二人になっちゃったー!」
と、混乱が収まるどころか良くわからない方向にかっ飛んでいった。
「んん?朝っぱらから何だよクリス?」
「どーしたの?お母さん?」
とギリヤさんと、アリアちゃんが起きてきてクリスさんにさっきの叫びのことを聞き始めた。
が、クリスさんは戦闘不能らしくこっちを指差して、固まっていた。それを見てギリヤさんと、アリアちゃんがこっちを向いて固まってしまった。
「えっと……命だけは勘弁してくれ……アリア、ドッペルゲンガーに合ったらどうしたらいいんだっけか?」
「分からないよ?てか、ユキちゃんが朝起きたらいなかったけど……」
「そう!そのユキが私です!」
そう宣言すると
「「ヘッ!?」」
と驚かれたので、九尾の狐状態になったら納得してくれた。
「どうして、ユキはアリアにそっくりになったんだ?」
「あぁ、それは昨日アリアちゃんに姉か妹かどっちがいいかって聞いたの。そしたらどっちも!ってかえってきたから、手っ取り早く双子みたいになっちまえ!と思って目元以外はすべて一緒にしちゃった。」
そう言うとギリヤさんははぁ~と言いながらわかった。クリスに伝えとくと言ってクリスさんが寝ている部屋にいってしまった。
一方アリアは・・・・・
「えへへーお姉ちゃん!妹~えへへー」
とニヤニヤしていました。可愛い!
しばらくたってから、クリスさんが復活してきて、謝ったら
「気にしなくていいわよ。私が取り乱しちゃっただけだし、アリアのためと思ってそうしてくれたのならば、私は嬉しいわ!」
といって、許してくれたのです!あぁ、心がひろい!
で、今日はこんなにバタバタしてしまうようなことがあったけど(ユキが原因)本日の目的のスキルを確認しにアリアちゃんとギリヤさんと一緒に村のギルドに向かった。
「こんにちは!ギルド受付をしています!マリーと申します!本日はどのようなご用向きでしょうか?」
おー!ギルドだギルド!冒険者ギルドだ~!
目をキラキラしながらあちらこちらに目を向けていると、一人気になる人物を見つけた。その人に話しかけたいと思っていたら、スーっと消えていなくなってしまった。
「…………え!?」
「ユキちゃんどうしたの?」
「ううん。なんでもないよ。」
あれがなんだったのか良くわかりませんが、スキルの確認と私だけ冒険者に登録をしようと試みました。
「マリーさん。冒険者って何歳からなれるんですか?」
「はい。規定が変わりまして、11歳ならば登録ができます。但し、保護者の確認と戦闘テストがありますが。」
フムフム、やはり子供が遊びでやりに来ないように対策をしているって訳か。ちなみにアリアちゃんは今年で12歳。何とか規定は満たしていますね。
あとは、ギリヤさんの認証のみだが……
「あのーギリヤさん。折り入ってお願いしたいことが……」
「どうした?冒険者になりたいってことか?」
もろバレですね。そうなったなら、開き直ってやろう!
「はい!やりたいのです!」
そう答えた私の意識の高さを見てくれたのか、
「だったらここのテストを受けて、大丈夫と認定されたらやっていいぞ!」
そういう風な許可の仕方をされました。その前にスキルなどの確認をしなくては……
と言うことで、スキルの確認をしにギルドの水晶に手を乗っけて魔力を注ぎ込みました。
ユキ (妖狐族・人間状態)
利用可能な魔法属性
炎・水・風・深緑・土・闇・光・精神・空間・次元・無・精霊術
スキル
料理・魔眼・戦闘能力(剣術・棒術・手徒空拳ect)・外見変化
加護
女神の加護
となっていました。うん。スゴいねこれは。
スキルもろもろを調べ終わったので、ギルドの試験に望むことになりました。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
これからもよろしくお願いいたします!
ご意見ご感想待ってまーす!
ユキ「私のこのチートっぷりをみたか!」