02. 森の中で
『それで本題は、私のお願いする仕事を行えばいいんだけど。まず貴女が行く世界は新生ファンタジアと言う世界です。貴女たちの世界では剣と魔法の世界とでも言うんですかね。それで、貴女はある姿になってもらいます。まぁ、私の仕事をこなしていくうちに、貴女が見ていた夢の意味もわかってくるでしょう。』
「やっぱり剣と魔法の世界と言ったら加護とかあるみたいだけどそれは?」
『追々ですね。……そろそろ時間みたいですね。では次は貴女の・・・で。』
体全体が光始めたかと思うと意識を失った。
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次目が覚めたときは森の中にいた。よく知らない木ばっかで、本当に違う世界に来てしまったんだと思った。
「まず、水を探さないとな。生きていけなくなる。」
歩いて2,3分で泉にたどり着いた。喉が乾いていたので、泉の水を飲むために屈みこんだときに驚きのあまり固まってしまった。
泉の水には巫女服を着たけもみみ少女が写っていたからだ。
「けもみみぃ!?しかも巫女服って……そうじゃなくて何で女の子になってんだよ!」
よくわからないけど、なってしまったものは仕方ない。なら、名前をユキと名乗ればいいか。
もう一度姿を確認してみる。うん。まごうことなき九尾の狐になってる。って、
「ちょいまちー!何で私(俺)が九尾になってるの!?てか、私(俺)っていえない!どういうこと!?」
『あら、気づくの早いわね。言葉の修正は私の趣味よ。体のことはいつか教えてあげる。』
あんたの仕業だったのかーい!
『因みに人間、けもみみ少女、狐と自由に姿変えられるから。頑張ってね!』
まてまてーい!もうよくわからん!いいや!町へ行こう!そうすればなんとかなる!
と思って歩き始めたのもつかの間、ドンと誰かに当たってしまった。
「あっ、ごめんなさいごめんなさい。」
「大丈夫かお嬢さん?こんな森の奥でどうしたんだい?迷子?」
「帰る家がなくて……町にいこうと思っていたんです。」
「そうか……なら俺んちに来いよ。お前と同じくらいの娘もいるしよ。一人ぐらい増えてもそんなに変わらないしよ。多分お嬢さんもやりたいことがあるんだろうから、無理はしないけどな。」
なんてこんな強面なおじさんが柔和な笑顔をしながら言ってきたから、驚いた。強面の人は全員怖いと言う自分の中の常識が崩れた瞬間だった。
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