閑話2 TODO:ご主人様の看病をしてみる
ちょっと短いです。
ユーリちゃんの妄想回です。
書きたいように書いただけなので、反省はしてるが後悔はしてない……多分。
皆様、こんにちわ。ユーリです。
ご主人様は、ギルドマスターのカールマンさんと、その奥様で副ギルドマスターのエリナさんから、[死の特訓]というトンデモない特訓を受けた事によって、昏睡状態になってしまいました。
しかも、あの特訓から2日は経ったというのに、まだ目覚めないのですぅ……。
あの後、エリナさんは治療班の方々の蘇生魔法により、直ぐに気が付いたそうです。
カールマンさんは、かなりの重傷でしたので寝たきりでしたが、翌日には何事も無かったように元気でした。
あの2人が言うには、2、3日は寝たままだろうと言っていましたが、ここまで目が覚めないと不安になってしまいますぅ。
本当に大丈夫なのでしょうかぁ?
そんなわけで、ナイスの宿の私達の部屋で、ご主人様は寝たきりの状態になっています。
私は何をしているかというと、ご主人様に付きっきりで看病……といいますが、ご主人様は呼吸は普通ですし、飲み物やスープ状にした食事も口に運べば飲んでくれるので、そこまで大変な事はありません。
ただ、やっぱり寝たきりになので、トイレに行く事は出来ません。なので、粗相をしてしまった状態の下着を交換する必要が出てくるのです!
私だって、大人なんです!そんな下着の交換ぐらいなんて、お茶の子さいさいなのですっ!
そんなわけで、下着を交換する必要があるのですが……下着を交換する時に、ご主人様のご主人様が目に入ってしまうのは、仕方の無い事なのです!
ご主人様のとってもご立派な物を見てしまうのは、仕方の無い事なのですっ! 大事な事なので2度言いましたっ!
……いけませんね。興奮してしまいました。
コンコン。
「ユーリちゃん、食事を持ってきたよ!」
「はぁーい!」
カチュアさんが今日の昼食を持ってきてくれたようです。
「カチュアさん、いつもありがとうございますぅ。」
「あぁ、いいんだよ。あんた等はお客様なんだからさ。それにしても……まだ、目覚めないのかい?」
「はいぃ……。」
「まぁ、エリナ達だって、もう少しすれば目が覚める、って言ってたんだろ? そんな心配する事ないさ。」
「……はいぃ、そうですねぇ。」
「それじゃ、何かあったら呼んでおくれ。食べ終わった食器は、いつもの通り持ってきておくれよ。」
「はいぃ、分かりましたぁ。ありがとうございますぅ。」
それでは、ご主人様にお食事を……って、あれ?
カチュアさんったら、スプーンを忘れてしまったようですね。カチュアさんでも、そんな事あるんですねぇ。それじゃ、スプーンを貰いに、1階へ行かないと……。
はっ!?
こっ、これは……口移しで食べさせるチャンスなのではないでしょうかっ!?
きっとそうです。神様がくれた千載一遇のチャンスなのです。
スプーンが無いから仕方の無い事なのですっ! これは必要な事なのですっ!!
「そ、それじゃぁ、スープを冷ましてぇ……フーッ、フーッ……。」
いざっ!!
「んーっ……。」
ご主人様に口移しでスープを飲ませます。
コクリ、という音と共に飲み込んでくれたようです。あ、少し零れちゃったようですね。
「いけない、いけない……。」
零れた滴を舐めとりました。うん、これでバッチリですっ!
…
……
………
キャーーーーーッ!! やりましたっ! とうとう、やってしまいましたぁっ!!
ユーリは歓喜のあまり、悶え転がりながら、床をバンッ、バンッと思いっきり叩いた。
……ただ、強化されたステータスによって、かなり大きな音になってしまった事には、ユーリは気づいてなかった。
ただ、その音によって駆け寄ってくる人がいた事には、例え強化されたとしても、悶え続けているユーリには気付く事が出来なかったようだ。
バアン! という音と共に、扉が開く。
「ユーリちゃんっ! 何かあったのかいっ!!」
しまったですぅ! 嬉しさを動きで表現しすぎてしまった所為で、カチュアさんに気付かれてしまったですぅ!
はわわわわ、どうしましょう? どうしましょう?
「あのっ!? これはっ! えっとぉっ……。」
何とかして誤魔化そうとしたのですが、何も思いつきません!
私がアワアワしていると、カチュアさんは部屋の中を見回して、ご主人様と私を何度も見渡すと、ニヤリと笑みを浮かべましたぁ……もしかして、気付かれたんでしょうかぁ……?
「……ははぁーん。」
「なっ、何でしょうかっ!?」
「ショースケさんに、食事を口移しであげたんだね?」
「はわっ、なっ、何でっ!?」
な、何で気付かれたんでしょうかっ!?
カチュアさんは、私の考えている事を覗き見る魔法を使えるのでしょうかっ!? そっ、それとも、さっきの出来事を見られていたのでしょうかっ!?
「いやさぁ、わざとスプーンを付けなかったんだよねぇ。」
「ほぇっ!? つ、付け忘れたんじゃ……?」
「そんなわけないだろう? まぁ、余計な事とは思ったんだけどさぁ、あんたら、良い雰囲気なのに、なかなか進展しないからさ……いい加減気になってしょうがないから、ちょっとした事で何かあればなぁ、と思って仕掛けてみたんだけど……まんまと的中したってわけだ。」
「はわっ!?」
「まぁ、丁度良いと思って、口移しであげたんだろ?」
「はわわわわっ!?」
「んで、どうだったんだい? 初めての口付けは? まぁ、外から聞こえる程に暴れてたみたいだから、相当良いものだったんだろうねぇ……。」
「いや、でも、それは、そのぉ…………はうっ。」
余りにも的確な所を突きまくられて、精神的に追い込まれてしまったのか、ユーリは気絶してしまった。
倒れようとした所を、カチュアは受け止めた。
「ちょっ!? ユーリちゃん!? ……あちゃぁ。少し、おちょくりすぎちまったかねぇ? それにしても、こんなんで、この2人の仲は進展するのかねぇ?
ショースケさんは、身持ちが固いみたいだしねぇ……まぁ、ユーリちゃんが頑張ってアピールするしかないんだろうねぇ? とりあえず、ユーリちゃんもベッドに寝かしておくかねぇ。
おーい、アベルっ! ちょいと手伝っておくれっ!!」
「あいよーっ!」
そんなこんなで、ショースケの世話をする筈が、ユーリも一緒に気を失ってしまうという事件があった事は、カチュアとアベルの心の中に留められる事になったので、他に知られる事は無かった。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
次の更新予定は、8月28日になります。




