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プロローグ
アメリカ経済の支柱である投資銀行「リーマン・シスターズ」が何の前触れもなく破綻した。
今まで社会経済を支えてきた基盤がなくなり金融市場は大打撃を受けて株価は軒並み暴落、アメリカだけでは収まらず世界的な大不況が始まった。
不況の波は日本にも押し寄せていた。
過剰な円高になり、日本産業が枯渇していく。
数多の企業は倒産し、かつてない失業率を更新してしまう。
誰にも止めることはできなかった。
リーマン・シスターズ破綻の原因は不明だった。
上層部や社員は口を閉ざし、世間ではあらゆる陰謀論や憶測が飛び交うも明確な答えが出てこない。 ニュースでは取り扱われるものの結局、真相は世界経済の混乱によってうやむやにされたままになっていた。
あれから三年たった今でも不況は依然として続いている。