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桜と波  作者: ぇみ☆
1/1


私の名前は〔立花 佳凛〕東京都内の公立高校に通うごく普通の女子高生。


今日は私が入学する事になった東京南第一高等学校の入学式。


知り合いもいないので,その日は一人で高校に向かった。



行きの電車には同じ制服の人たちが沢山のっていた。


みんな,友達と来ていて一人の私は

「中学校にもどりたいなぁ」とふと思った。


学校に着いてからも一人。



私は

「このままじゃいけない」と思い教室に一人でいた小さくて可愛らしいタイプの女の子に勇気を出して話しかけた。


これが後に後悔することになった‥‥




〔私,立花 佳凜っていうの!中川中学校から来たんだぁ。仲良くしてね〕



{あぁ。うん!よろしく。春日部 波だよ!波ッッて呼んでね!}



〔じゃあ佳凜って呼んで‐!〕



先生が入って来た。服装もきちんとしていて清潔な感じがした。



なんとか無事に高校生活の初日が終わり,帰りは波と2人で帰る事になった。




帰りの電車で私の憧れの大人気アイドルの【赤堀 海斗君】が乗っていた。



海斗君は,ばれないようにサングラスに帽子をかぶり変装していたが大ファンの私にはすぐに見破ることができた。



思わず,隣に座っていた波に

〔海斗君がいるよ!あのすっごいカッコイイ海斗くんだよ!ほらあそこにいるでしょ!〕



ふと我に返った私は周りの目線が海斗くんに注目している事にきずいた。



隣にいたはずの波がいない!



波は海斗君の事をかばうように次の駅で降りていった。


〔波,確か大塚駅で降りるって言ってたよね。ここ,まだ中野じゃん。〕こう思った時に海斗君と波の間に何か関係があるんじゃないかと思い始めた。


一人,大塚駅で降りた私はトボトボと歩きはじめた。

10分程たっただろうか?やっと家に着いた。そのたった10分が長く感じた。


お父さんは仕事。5才離れの弟,翔也は地元のサッカー倶楽部の練習で,お母さんは近所のおばさんたちとお茶でも行ってるんであろう。

家には誰もいない。


〔ただいまぁ〕


誰もいない我が家に言った。今日ほとんどの時間を一人で過ごしたせいか誰かに暖かく迎えて欲しかったのだ。


もちろん、返事は返ってこない。シーンとした家に

〔はぁ〜〕

とため息をつき,足早に2階にある自分の部屋へと向かった。

〔バタンッッ〕

乱暴に部屋のドアを閉めすぐさまベットに横たわった。


そして,目をつぶり今日起こった出来事を振り返った。

まず,海斗君の事が頭に浮かんだ。


〔あれから,あの2人どうなったんだろう?海斗君怒ってるだろうな〜。明日,早めに学校に行って謝らなきゃ!〕



そぅ思った私は海斗くんの組を知りたくなった。


〔今日もらった新入生名簿に載ってるはずだ!〕



急いでかばんから取り出した。



〔え〜と。あった!3組かぁッッて私と一緒じゃん。〕


何で教室にいたはずなのにきずかなかったんだろう?


不信に思った。



〔スターはやっぱり校長室とかで待ってたんだろうな!騒ぎになると大変だし〕


単純な私はそう確信してそのまま眠た。


3時間ほどたった頃に翔也が起こしに来た。


(ねーちゃん!ご飯出来たってぇ。早く来ないと俺が全部食べるよ)


〔今から行くよ〕



そう言って1階にあるリビングに入って行った。



もう,みんな帰って来ていた。



〔みんな帰って来てたんだ。〕



お母さんが心配そうに《学校どうだった?》と聞いてきた。


入学式にも来ないで遊んでたのに良くそんな事言えるよね!

ッッて言いたかった。


でも,格好悪いから〔友達つくるって簡単だね。クラスのみんなと仲良くなったよ!〕


つまらない嘘をついた。お母さんに初めて嘘をついた。



今までにない罪悪感が胸を押し潰した。


ご飯を食べる時も楽しそうなそぶりをして食べた。


本当はすごく不安だった。



自分にも他人にも嘘をつくのが嫌で,中学校の時,1番仲良しだったみっちゃんに電話した。



でも,留守電だった。

一人取り残された気がして,その夜はずっと朝になるまで泣き続けていた。



朝になって学校に行きたくないと思ったけど,

〔ちゃんと海斗君に謝るって昨日きめたじゃん!〕



行かなきゃッッ!



きずくと,走りだしていた。

7時19分発の山手線に乗りながら,

〔私には波がいる。昨日はあんなひどい別れ方しちゃったけど,謝りさえすればきっと仲良くやっていけるよ。〕



7時半すぎに学校に着いたけど,まだ誰も来てなかった。とおもった。



でも,中庭の池にポツンと座っている人がいた。



〔海斗くんだ!何て話かけたらいいんだろう?あんまりなれなれしいのはNGだよね!よし決めた!行こう!!〕



私は池にまっしぐらに向かった。



〔昨日は本当ごめんね。大声で海斗くんだって言っちゃって。反省してる!〕



〈別にいいよ。でもこれから俺の近くにくるな。〉



〔どうして?話しぐらいはしてもいいじゃない!〕



〈目ざわりなんだよ!〉



〔海斗くん,TVでは優しく笑ってるのに。〕



〈関係ねぇだろ〉



〔じゃあ私が海斗くんをTVでのあの優しい海斗くんに変える!〕



〈あぁ!変えれるんなら変えてくれよ!こんな可哀相な俺を昔の俺にみたいな優しい人間に変えてくれよ!!〉



〔変えるよ!!こんな海斗くん嫌だもん!〕



そんな言い合いが終わって,教室に入った。

波が教室の前で立っていた。



〔波,おはよう!〕


〈おはよ!〉



〔昨日はゴメンね。海斗くんにも波にも迷惑かけちゃったね〕


〈全然きにしてないよ!〉



それから私は海斗くんを変えるために一生懸命つくした。


そんな毎日が続いて2ヶ月。やっとクラスの子たちとも仲良くなってきた。



そして,春が過ぎて夏になった。


暑い毎日の中,海斗君が来る日は1ヶ月に一回ほどでたまに来ても午後からきたり,早退したりで今だにクラスと馴染めていなかった。



それが気掛かりで,最近仲良くなった幸子と海斗くんが楽しめるクラスにしようと,1年3組に呼びかけた。



予想通り,海斗くんは嫌がった。


波はそれを見て海斗くんと一緒に教室から出ていった。



でも私は後悔していない。


海斗くんがTVの中の海斗くんになってくれるために,いろいろな手段を使う事にしたから。




隣のクラスの三浦大樹は海斗くんの幼稚園からの幼なじみで,海斗君の事を良くしっているんじゃないかと思った。



〔ねぇ。三浦!海斗くんッッて昔はどんな感じだったの?〕


〈佳凜,海斗が好きなのか?〉



〔まぁファンとしてね。〕



〈おぅそうか!ならよかった!〉



〔で,どうなの?〕


〈まぁあいつにも色々大変なことがあったんだよ。〉



〔それを教えてッッて言ってんじゃん〕


〈じゃあ俺と付き合えよ!〉



海斗くんを変えるには過去を知るしがなかった。



〔いいよ。でもちゃんと教えてもらうよ?〕



〈OK!〉




大樹と付き合い初めて1ヶ月,初めて海斗くんの過去をしった。



大樹が話してくれた。



海斗くんが小学生の時,桜ちゃんと言う女の子がいて桜は体がすごく弱くて酸素マスクを外したら死んでしまうぐらいに弱っていたそうで,当時小2だった海斗くんは桜ちゃんの口ぐせだった〈本物の桜を見たい。桜を見たらいつ死んでもいい〉っという夢を叶えたくて桜の季節に桜ちゃんをおんぶして桜を見せてあげたんだそうだ。それから19時間後,桜ちゃんは還らぬ人となった。死ぬ前に,桜ちゃんが書いた手紙をいつまでも持っているそうだ。


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