87.グリモール教・教皇—ポワート
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私に贈り物をしてくれた方々へのお礼参りが済んだ頃、拡声魔法特有のキィーーンという音が聞こえて来ました。
これは今から皇帝が話すという合図。
つまり、もう間も無く年が明けるということです。
「なんかあっという間だったなー」
「それはあり———セニカが忙しかったからじゃないか?」
「そうねー。そうかもね」
「しっ、お2人とも。皇帝の御言葉よ」
シィーーーーン
「うむ。今年は波乱の1年であった。我が帝国に直接的な被害がなかったとはいえ、大きな竜災があった。お陰で飛竜が来てるがな。来年は我が娘が学園に入学することは周知のことだろう。別の意味で波乱の1年になりそうだ。それでは、新しい1年を願って乾杯と行こうか」
「それでは皆様、グラスをお持ちください」
「かんぱい!」
「「「「「かんぱーーい!!!!!」」」」」
ドーーンドーーンドーーン
皇帝の乾杯の音頭に合わせて外では花火が打ち上がりました。
そして騒がしくなる会場内に響く拡声魔法のキィーーンという音。
そしてこの騒々しい会場に声が響き渡りました。
「パーティの最中に失礼致します。飲食しながらでいいのでお聞きいただければと」
そう言ったのはグリモール教の教皇であるポワート様でした。
「なんだ!」「皇帝に失礼だぞ」などと野次が飛び交うなか、教皇は話を続けます。
「新年早々暗い話で申し訳ありませんがどうかお聞きください。最近、教会の幹部を狙った襲撃が相次いで確認されています。従順な使徒である皆様を疑いたくはありませんが実際に起きているのです。襲撃をしていた人はおそらく邪神にでも唆されたのでしょう。いつでも構いません。どうか懺悔して身をお清めなさってください。どうも、失礼しました」
そう言って立ち去っていく教皇。
そして私は1つの違和感を感じていました。
———この声、聞いたことがある!
それも私が攫われた時に。
『ようこそ。よくきたね、アリスティア・ロナード。いや、賢者様かな?』
この声が教皇のものだとしたら、あそこにいた人が教会の服を着ていたことにも納得がいきます。
でも、なぜ教会が?
伝説の言い伝えによると、賢者は創造神様———グリモール様が使わせた使徒。
つまり教会が存在を消そうとする動きがおかしいのです。
「ちょ、ちょっとセニカ?」
気づいたら私はテレスの手を引っ張って外まで来ていました。
「あっ....えっとごめん」
「いいよ。なんかあったんでしょ?」
「うん。テレスって経典の内容覚えてる?」
「経典....小さい頃にちょっと読んだだけだからなぁ」
「成り立ちの部分だけでも!」
「『邪神龍を倒す為に賢者セニカが創世神グリモールの言葉を受け、人間同士で固く結束するために創った』ではありませんでしたか?」
「「ソフィア様!!」」
「あら、お2人とも会場から離れて何をなさって?」
「申し訳ありません。先程のポワート様のお言葉に違和感を感じまして」
「もう、今は誰もいないから普通に喋ってちょうだい」
「お言葉ですがソフィア様、貴女お一人ではなさそうですよ」
「そうらしいわね」
「おやおや、若者がこんな暗いところに。修羅場ですかな?はっはっは」
「ポワート。言葉を慎みなさい」
「おっと、これは失礼。しかしこんなところで密会とは関心いたしませんなぁ」
「そう捉えてしまわれたのであれば謝罪しましょう。ただそういった集まりではないことはお分かりいただけます?」
「ほうぅ?それは神に誓ってもか?」
「えぇ、グリモール様と我が家名に誓って」
「ではここはよしとしましょう。ところでそこの娘よ、少々私に付き合ってくれんかね」
「ポワート!この方も今宵の客人です。そういったことはお断りいたします」
「こりゃ手厳しい。よく口の回る皇女様だ」
「こっかてんぷく....」
「おや?ようやく喋ったと思ったらどうしました?」
「いえ、なんでもありません」
「用事がないならさっさと帰ってくれる」
「そうしましょうぞ」
「今はまだその時期ではないからな」
「ほら、2人も戻るよ」
「一緒に戻ったら変なことを思われるかもしれないから後から戻るよ」
「そ。じゃあテレス、セニカ。また後で」




