7.夏の収穫祭(独自)
「今日暑くない?」
「たしかにー。なんか昨日より暑い気がするー」
「んなこたぁねぇだろ!こんなんまだちょろいもんだろ!なぁクロ!」
「「「んなわけあるかー!」」」
「それはディルだけだよ」
「そうよ!」
「何言ってんのよ!」
と、騒ぐ4人と
「っははっ」
静かに笑う1人がいました。
こんな私たちは今森に向かって北向きに進んでいます。
私たちの村の近くにあるこの森は、草木が生い茂り、野生生物が住み、魔物が潜む森です。
そんな森の恵みをいただくために私たちは森へと旅立ったのです!
「そんな大げさなことじゃないだろ」
とディルの冷たい視線が飛んできます。お恥ずかしいことに心の声が漏れていたみたいです。
「はぁー!やっぱり森の中は涼しいのね!」
「だねー」
木々に囲まれた薄暗い森ですが、不気味な感じはなく、涼しく、空気が美味しいです。
「おいみんな!あっちにアオヤムがあるぞ!」
「え!ほんと!行こ!」
なんと早速ディルが見つけてくれました。
アオヤムとは夏に実がなる果実で、まだ実が青いので”アオヤム”なのです。秋になると実は赤色になり、”アカヤム”と呼ばれるようになります。
アオヤムは酸味が強く、実は硬く、水分が多いのでドライフルーツにしたりジャムにしたりなど基本保存食になります。
さて、アオヤムを収穫した私たちは森のさらに奥へと潜っていきました。
そして私たちはいろいろなものを収穫しました。
狐の葉(――狐が変身するのに使うとされている葉っぱ。傷薬などに使われる。)
スカルト(――煎ると香ばしくなる木の実)
スカーの肉(――淡白な色の肉)
などを集めた私たちは家に帰るために森の入口へ向かっていました。
(サ)「いやーたくさん採れたねー」
(デ)「だな!今日は動物がめっちゃいたから狩り放題だったぜ」
(ア)「ディルは剣を振り回しすぎよ」
(ク)「そうだよ。危なかったんだから」
(デ)「もうっ!うるさいうるさい!当たってねぇんだからいいだろ!」
(テ)「いや、僕に当たってるよ...。」
と言ってテレスは自分のお腹を指さしました。
(デ)「あー...。それは...お前の気のせいだ!」
(テ)「ちょっとディル!?ひどくない?結構痛かったんだけど」
(デ)「まぁなんだ。勇気の証?ってやつだ」
「「「「謝れよ!!」」」」
と言う4人の圧力に負けて「はい、すみません」とディルが謝りました。
(サ)「まったく...最初からそうしておけばよかったのよ」
(デ)「はい。そのとおりでございます」
と、話していると近くの草から音が聞こえてきました。
(テ)「あっ!また動物が出てきた」
というテレスの一声でみんなが草の周りで動物を待ち構えました。
「あっ出てきた........ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そこにいたのはゴブリン――魔物でした。
5人いてどれが誰のせりふなのかぐちゃぐちゃなりそうだったので()で示してみました。
ア…アリス
サ…サーラ
デ…ディル
ク…クロ
テ…テレス