66.山越え①
投稿予約を忘れてました!!!
すみません
帰国するにあたって1番の難関となる部分。
それはこの山脈を越えることです。
小国群と帝国を隔てるように連なるこの山脈は高さも長さも世界一。
軽い気持ちで登ろうなんて思った暁には死が待っている、そんな山々が連なっています。
その中でも2番目の高さを誇る山———ローディア山を私たちは攻略しています。
「よし、今日はこの辺りで野営しよう」
時刻は午後の4の刻のころ、外はまだ明るい時間にアルさんはそう言いました。
「わかったー」
「そうだな」
心は「もっと進みたい!」と叫んでいますが、素直に従います。
なぜならここは山だから。
いつもと違う環境に長時間いることになり、さらに起きている間は登り下りしなければならないという重労働付き。
そこで大切になってくるのは体調管理です。
しっかりご飯を食べてしっかり寝て、体力気力共に保てるようにするのが重要なんだそうです。
辺りの土を魔法で均し、テントを立て、火を起こし、夕飯の準備をします。
私はテントを立て終わったあたりで別の場所に行き、お風呂を作ります。
地面を掘ってお湯を入れただけの簡単なもの。
それでも私たちの疲れを癒すのには十分でした。
アルさんとセーラさんが作ってくれたご飯を食べて、私が建てた簡易お風呂に入り、少しの雑談と次の日の確認をして寝る。
これがここ最近のルーティーンです。
地上は夏になり、夜も気温が高くなっていましたが山の上ではそんなことを一切感じさせませんでした。
ちょうどいい標高にいるおかげで気温がちょうど良く、すっきりと朝を迎えました。
もちろん山にも魔物はいます。
しかもこの季節の魔物は冬眠明けでかなり凶暴になっています。
みんなの体力を保つため、交代で戦っていましたが、標高が上がるにつれて魔物はより硬く、より強くなります。
なので魔物との戦闘は基本的に私がやり、その分アルさんとセーラさんが私の荷物を持ってくれることになりました。
「【雷の槍を撃つ魔法】」
そしてまた魔物を1体。
「いやー、山越えがこんなに楽だとは。な、姉貴」
「そうだな。お陰で無駄に怪我せずに済む」
「私も荷物を持ってもらってありがたいですよ?」
「その分戦ってもらってるからな。お互い様だ」
「そうですね。セーラさんもアルさんも私より力ありますからね」
「そうなの?でもアリスちゃん、俺と同じ量持ってなかった?」
「そういやそうだな。何一つ苦しそうにしてなかったが」
「それはちょっと魔法を使ってたから」
「また魔法か...。なんでもありだな」
「でもこれ使ってるの私だけじゃないのよ」
「「そうなの(か)!?」」
「うん。ダリオメア兄弟のお兄さんに教えてもらったの」
「へー。あいつ魔法使えたんだ」
「魔法を使えるんじゃなくて魔力を扱ってたの」
「どういうことだ?」
「魔力を使って筋力を上げてるの。魔力を自在に扱えないとできない高等技術なんだって」
「じゃあ私たちにもできるのか?」
「うん。みんな魔力は持ってるからね」
「是非とも使ってみたいけど...アリスちゃんといる間には無理そうだね」
「そうだな...。ま、でも欠片ぐらいは得られるんじゃないか?」
「私がいなくても大丈夫だよ。練習の仕方は教えるし、そんなに難しくないし」
「それはアリスが日頃から魔法を使ってるからだと思うぞ」
「そうだろうね。———お、あれ山小屋じゃない?」
「わー、アルさん目いいねー」
「海男ならではだな。私も見えん」
「今日はあそこで休むから頑張ろう!」
「見えないのにー?」
「やる気湧かないよなー」




