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64.帰国準備

なんとか龍を海の底に沈めてから半年後。

ようやく街並みは元の姿を取り戻しつつありました。


あの災害からの復興はそれはそれは大変なものでした。


1番最初に揉めたのは長老を誰にするか。


長老になると納税の義務が免除され、それなりにいいお給料ももらえます。

ただし街の運営、漁の管理などと大変な仕事も増えてきます。


それでも長老をやりたいと言う人が半分、長老なんていらないと言う人が半分。


長い間討論し続けた結果、毎年選挙で選ばれる“管理者”がうまれました。


管理者は街の管理をしますが、一村民であることには変わりないので納税もしなければなりません。

だけど管理者として働いた分は別でお給料がもらえる、という制度になりました。


そして最初の管理者に選ばれたのがダリオメア兄弟のお兄さんです。

セーラさんを推す声が多かったのですがセーラさんが辞退したためお兄さんになりました。




そこからもまだまだ忙しい日は続きました。

遅れて到着した討伐隊に事情説明したり、潰れた家の再建をしたり、竜の死骸を片付けたり。









そうしているうちに冬も明け、私が帰国できそうな季節になりました。


ここ、トリノ公国は中央大陸の北西に位置しています。

帝国は大陸の南東側に位置し、トリアート領は大陸の中央あたりに位置しています。

大陸の端を埋めるように北から西にかけて連なる小国群と帝国の間には大きく、長い山脈で隔たれています。


なので陸路で帰るにはこの山脈を越えなければなりません。

いくら平地の冬が明けても山ではそうはいかないようです。

まだ雪も積もっていて、気温も低く、歩きづらいそうです。

さらには山の上の方から雪が流れ落ちてくる“雪崩”の危険もあるのだとか。


なので山脈を越えるためにはそれ相応の準備が必要になってきます。

暖かい服装、日持ちする食料、寝床、暖をとる道具、雪の上でもしっかり歩ける靴、怪我した時の治療具などなど。


それを3人分なのでかなりの量になります。

セーラさんからも「いくらアリスが子供でも自分の分は自分で持ってもらうからな」と言われました。

まぁ、当たり前ですね。




そして全ての準備が整ったのが夏になる頃です。

雪崩の危険性もぐっと下がり、ある程度雪も溶けて登りやすくなる季節です。


「よし、じゃあアリス、来週だ。来週ここを出るぞ」

「はい!」

「じゃあそれまでに魚は売ってしまわないとだね」

「あぁ。その辺は上手くやっとけよ?」

「当たり前じゃんよ。俺をなんだと?」

「この前釣りすぎて半分くらい腐らせた人」

「あっはっは!言うじゃんアリス。確かに腐らせてたな」

「あ、あれはたまたま多くかかっちゃっただけで...。別に多く釣ろうとした訳じゃないからよくない?」

「よくないね。それも含めて計画だからな」

「くぅーーー。グサグサと刺されるな。ま、今度こそ任せといてよ」

「頼むぞ?次は釣りすぎたじゃ済まねぇからな?」

「わかってるよ。じゃあアリスちゃん、釣りに行くのは明後日まで。明日からは干物用は釣らないからね」

「わかったー。じゃあ帰ってくるのが早くなるね」

「そうだな。姉貴も把握しといてくれ」

「おうよ」

「なんか役に立つ魔法ないかなー」

「な、お前どれだけ強くなる気だよ?十分だろ?」

「でもねー。私空間属性使えるんだけどいまいちわからなくて。回復はたいしてできないし...」

「それ以外で十分なんだからいいんだよ!」

「荷物も自分の分は持ってくれるんでしょ?」

「それぐらいはするよ」

「だったら十分だ。あとはしっかり歩いてくれ」

「そう...ね。わかった!頑張るよ!」

「そう!その意気だ!」

「あ、アル。疲れたらおぶってね」

「はぁ?何言ってんのさ。アリスちゃん優先だ」

「じゃあアリスと交代でだな」

「なんで俺がおぶる前提なんだ!俺はおぶらんぞ!絶対にな」

「チッ、使えねぇ弟だな」




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