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44.再鑑定

目を覚ますと見えたのは教会の人が着る服と見慣れない黒い屋根でした。

縛られているのか、身動きは取れませんでした。


しばらくモゾモゾしていると教会の服を着た人がこっちをみてきました。


その目は鋭く、「大人しくしとけ」と脅しているように感じました。


動きをやめて静かにしているとその人が話してきました。


「今からとある場所に行く。それまで黙って寝てろ」

「わかり、ました」


そう言うとおじさんは黙ってしまいました。


ガタガタ、ゴトゴト


黒い屋根———馬車の屋根を見つめながら何が起きたのか思い出そうとします。


教会に行って。司教様に会って。本を探して。

その時...!

その時に眠ってしまったんだ!


声は出したらいけないので心の中で叫びます。


しかし喜びで動いてしまったのか、おじさんがきつい目で睨んできました。


スッと表情を戻して今の状況を考えます。


手足は縛られていて動けない。

馬車の床に寝ているから外は見えない。だから声を出しても助けは呼べなさそうです。

そしてなによりこのおじさんが強そう!

これといった理由はありませんが今の私にはこの人に勝てる未来が見えません。


結局は諦めて寝ることにしました。






しばらくするとおじさんに起こされました。足で蹴られて。


「起きろ小娘。あの方のところに行く。せいぜい無礼のないようにすることだな」

「おじさん、ここはどこなの?」


私は目隠しをされたので自分が今どこにいるかを把握できずにいました。


「無駄口叩くな。遅れたら俺が怒られるんだ。...あとおじさん言うな」

「え、おじさんじゃないの?」

「馬鹿。顔ぐらい隠すに決まってるだろうが。ほら、さっさと歩け」

「で、でも私何も見えない」

「ちっ、ったくそうだったな。引っ張ってやるからちゃんとついてこいよ」


そう言っておじさんは私の腕を掴み、引っ張って行きました。







「ようこそ。よくきたね、アリスティア・ロナード。いや、賢者様かな?」


賢者。

それは昔存在した魔法使いで、扱える属性の多さや魔力量の多さなどからそう呼ばれていました。


そして私はその賢者とかなり似ていて、鑑定した時に司教様に私は賢者かもしれないと言われたのです。

賢者の生まれ変わりなのか、血なのか。そんな話をしたなぁ。


だけどこの話を知っているのは私と司教様と私の家族、そしておそらくオースティン侯爵様。

目の前の人が知っているはずがありません。


「賢者って...あの伝説のですか?」


私も賢者だと決まったわけではないので「はい、そうです」とは言いません。


「あくまでシラをきるつもりかな?まぁいい。どうせすぐわかることだ。おい、やれ」


男の人がそういうと周りにいた人がロープでぐるぐる巻きにしてきます。

魔法を使おうにもなぜか魔力が集まらず、抵抗虚しく縛られてしまいました。


「余計な抵抗はしない方が君のためだよ。私たちも君を傷つけたいわけじゃないからね。じゃあこれに触れてもらおうか」


そう言って出したのは見覚えのある水晶、魔法鑑定の水晶です。


「何をするつもり?」

「いや、なに、君の属性を見たいだけじゃないか。なにも慌てることじゃないでしょう?」


そう言って近づいてきます。

私が全属性が使えることがバレたら賢者だって言われる...!


「ほらほらーなに逃げてんのー?別にこれは痛いものじゃないでしょ?それとも、なにかかくしてるのかなぁー?」


頑張って触れないようにしていましたが別の人に抑えられ、水晶に触れてしまいます。


水晶は赤、青、黄、緑、茶、金、紫、そして白に光り始めます。


「うんうん。あいつの報告通りだ。んじゃあいつは逃がしてやって。んでこいつは連れて行こうか」


そう言うと周りにいた何人かが動き出し、私を連れて運んで行きました。


「客人ではないけど丁寧にねー」


そう言う男の人に見送られながら私は地下室に連れて行かれました。



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