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21.招待状

久しぶりの投稿です、はい。

いくつかのパーティーに出席し、ダンスにもメイドにも慣れてきた初夏の頃、テレスのお屋敷に2通の招待状が届きました。


1通はテレス宛に、もう1通は...私宛に。


そう!私にです!


テレスから渡された時には驚きで心臓が飛び出るかと思いました。


その招待状はソフィア様からのお茶会のお誘いでした。

公的に招待状は出されていますが個人的なものらしく、来るも断るも自由らしいです。


さて、私はどうしようか。


テレスから「王族からのお誘いを断れるわけないだろ!あと僕とソフィア様がよく話していることは広まってるから行かないわけには行かないんだよなぁ。あ、アリスもだよ。『なんだ、あの可愛い少女は』『見たことないぞ』って噂になってるよ」って言われたら...行かないという選択肢はなさそうだと感じているのですが...。平民である私が行ってもあまりいいことが起きない気がしてならないのです。むしろ悪いことが起きる予感がビンビンします。


はて、どうしたものか...。

と長々と悩んでいましたが「平民である私が王族のお誘いは断れない」が「貴族と関わりすぎるとちょっと面倒なことになる」を打ち破ったので行くことにしました。


そうと決まれば急いで準備をしなければなりません。なぜなら出発は3日後だからです。




出発の前日。

私はテレスのお屋敷にいました。

テレスのご両親が私の新しいドレスを用意してくれたからです。


タダで貰うわけにも行かないので少しですがお金を持ってきていますが...それでも全然足りなさそうな豪華なドレスでした。


前のドレスは淡い青色のドレスで、年相応の可愛さが出ているものだったらしいのです。


なので今回は大人っぽいものを用意してくれたのですが…それはそれは綺麗なドレスです。

黒色を基調として所々に白色のレースが入っていました。

私の白髪とのコントラストでどちらも輝くような素敵なドレスでした。


テレスのお母様が言う通りの大人っぽいドレスでした。


「あの子の言った通りね。黒も似合ってるじゃない」

「あ、ありがとうございます。あ、あの、全然足りないと思いますが、ど、どうかお納めください」

「あら、いいわよ。貴女のお家も大変でしょうし、こっちも付き合わせてるのだからお互い様じゃないの」

「で、でもこんな高いドレスを2着も」

「いいのよ。リーリャに比べたら着せがいもあるし、うちの評判にも繋がるんだから。その代わりしっかり頑張ってきてちょうだい」

「は、はい。頑張ります」

「ええ。そうして欲しいのだけど私相手にそんな緊張してるんじゃダメよ」

「...分かりました」


テレスのお母様...。口調は優しいのに纏っているオーラが...とても強いのです。

「私に逆らったら、分かってるわね(脅し)」みたいな...。

なんて言うんだっけ...そう、『気が強い』人なのです。


ただこんなによくしてくれているのにオドオドしたままなのも失礼というもの。私は怖がる心を奥底に隠してはっきりと言います。


「ドレス、ありがとうございます。このドレスに恥じない振る舞いを心がけます」

「うん、いいわ。その心意気で頑張ってちょうだい」

「はい!」




そしてその翌日。

新しいドレスを持っていつもより機嫌が良さそうなテレスのお母様に見送られて出発します。


「そういえばさテレスのお父様は?」

「父上は忙しいらしい。僕が王女とお茶会するからなんやらで」

「え!?じゃあ私のせい?」

「んー、そうとも言えるし、アリスが悪いわけじゃないし...。わかんない」


さて、何度目か分からない王都へ向かいましょう!

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