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11.収穫祭①(5歳ver)

5歳verってことは来年もあるってことです(メタ読み)

 11月1日。それは私たちの村―――ニムレット村においてとてもとても大切な日です。


 そう!収穫祭です!


 この時期になると麦などの穀物や芋類、葉物、果物などほとんどの作物の収穫が終わります。

 なので『今年もたくさん収穫できました。お陰で今年の冬も越せます。来年もよろしくお願いします』という気持ちを込めて採れた作物とこの世界の神―――グリモール様に祈りを捧げ、祝うのが収穫祭です。

 この日だけは貴族、平民関係なく今年採れた作物をみんなで食べます。

 ほぼすべての家庭が畑を持っているこの村ではそれぞれの畑で育てた作物をその家の1番の調理法で提供します。

 領主様の『ただでいただくのは良くない』の一言から少しだけ料金をいただきます。

 そして、収穫祭の1番のイベントは人気投票とダンスパーティーです。

 ダンスパーティーはまだ幼い私には関係ありませんが、そこでパートナーを見つけるのがほとんどらしいです。

 そして人気投票は、どの家の料理が1番美味しかったかを決めるもので、いろんな家の料理を食べたあと1番美味しかった家の名前を書いて投票します。もちろん自分の家にいれるのはルール違反です。

 そして1番になった家には領主様から報奨金をもらえます。

 なのでみんな目の色を変えて頑張るのです。過去にはそれで館のキッチンに雇ってもらった人もいるのだとか...。


 そんな収穫祭で私たちの家―――ロナード家では野菜のクリームシチューを出すことにしました。量もそれなりにあるので私もシチューを作るのを手伝います。



 翌日———収穫祭当日です。

 私は家の玄関にシチューを運んだら「行ってきます」を言って広場に向かいます。


 人で込み合っている広場を進むと先に待っていたクロとディルがいました。テレスは家族とまわる予定らしく、今日は来ません。

 3人でしばらく話しているとサーラが来ました。4人揃ったことで私たちは歩きはじめました。


(デ)「まずは俺ん家行こうぜ!うちの野菜炒め、めっちゃ美味しいぜ!」

(ク)「まぁまぁ落ち着いて。みんなのところに行くんだから近いところから順番だよ」


 クロの言うように今日は広場に近いところからまわってみんなの家のお料理を食べてから投票しようということになっていました。もちろん他のお料理を食べてもいいですが4人の家のお料理は絶対です。


 ということでまずはサーラの家に着きました。

 サーラの家では野菜の串焼きを出していました。3種類の野菜を串にさして、塩を降って焼くだけの超シンプルなものでしたがそれはそれは美味しかったです。さらにサーラのお母さんが特別に串に刺す野菜を選ばせてくれたのもポイントです。


 次はクロの家です。

 そこでは焼き立てのパンが売られていました。焼き立てアツアツのパン、これも絶品でした。

 パンを焼いていたクロのお父さんが2個めをくれたので、シチューと一緒に食べるために残しておきました。

 食欲旺盛なディルはもう食べてしまいましたが他の3人はまだ食べていなかったのでこっそり教えてあげました。


 パンを食べずに持ったままである私たちを見て不思議そうにしているディルを横目に3人で笑いながら歩いているとディルの家に着きました。


 ディルのお母さんが作った野菜炒めを食べていると見たことのある男の子がいました。


(デ)「おい!あれテレスじゃね?おーーい!テレス!」

(ク)「あ、ほんとだ」


 そこにはテレスとテレスのお母さんとお姉さん(?)がいました。

 お母さんに一言言ってからこっちに来たテレスと少しだけ話します。


(テ)「やぁみんな!この中で会えるなんて偶然だね」

(サ)「ほんとだよー。久しぶりー」

(ク)「会えるかもって言ってたけど本当に会えるとはね」

(テ)「だね。あ、そうそうアリスのところのクリームシチュー美味しかったよ!」

(ア)「食べたんだ!美味しかったでしょ」

(デ)「おいテレス!せっかくここにいるんだからうちの野菜炒めも食べてけよ!」

(テ)「そうだね。お母さんと姉ちゃんと話してからかな」


 などと話してテレスは家族のもとに帰っていきました。


 最後に私の家です。

 あったかいクリームシチューは少し肌寒いこの季節に好まれる料理で、沢山の人がいました。


(ク)「やっぱりクリームシチューは強いなぁ」

(サ)「あったかい料理は体に沁みるからねー」


 そんな大好評なシチューを食べた私たちが広場に戻ると、もう辺りは暗くなっており、ランタンの明かりが映える時間帯になっていました。




多分今週の更新はこれで終わりになると思います

来週からまた毎日更新したい(願望)と思っていますので、よかったらつづきを読んでいただけるとありがたいです。

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