100.加護
本編100話まできました!
いつもに増して読者の皆様に感謝を申し上げます。
ありがとうございますっ!!!
8月10日、私は———私たち2人はオースティン領の教会に来ていました。
私と一緒に来ているもう1人はクロです。
クロの誕生日は8月7日と、私と近かったので一緒に行くことにしたのです。
私は紫色の、クロは濃いグレーのマントを羽織って教会に向かいます。
目的はただ一つ。
グリモール様からの御加護をいただくためです。
「どんな御加護をもらえるんだろうねー」
「アリスは魔法に長けてるから魔力の回復が早くなったりとか?」
「それはクロもあり得そうだね」
「そうだね。でもその人の心の奥底から必要としているものを渡されるらしいよ」
「確かにねー。テレスもサーラもちょうどいい加護貰ってたしね」
テレスは帝都の教会まで行って“硬化”の加護を貰ったそうです。
“硬化”は動きが遅くなる代わりに、自分が身につけているものを硬くすることができるものです。
サーラはこの前帰ったときに村の教会で“遊泳”の加護を。
これはかなり有名なもので、遊撃や不意打ちをするときに働くんだとか。
どちらの加護もそれぞれの戦い方に合ったものなので、心の底から欲しているものというのはあながち間違いではないのかもしれません。
そして着いたのは村の教会とは比べ物にならないくらい大きな教会でした。
装飾も凝ってあり、白に統一された内装はこの教会の神聖さを醸し出していました。
「「うわぁぁぁぁぁ」」
そのすごさは思わずこんな声が漏れてしまうくらいでした。
周りをキョロキョロしながら進むと祭壇に着き、そこにいた助神官様に声をかけられました。
「ようこそ。本日はどのようなご用向きでしょうか?」
これまた丁寧な言葉遣いにこれまた感動しつつ、返事をします。
「グリモール様のgムグッ———ちょ、何すんの」
「そんなど直球にいうことじゃないの!えーっと10の儀式をしていただけないかと」
「かしこまりました。それでは準備がございますのでしばらくお待ちください。」
そう言って助神官様は教会の奥に向かいました。
「10の儀式ってのが御加護を貰うやつなの?」
「そうだよー、まったく....。『加護をください』って言ったらただの強欲な人じゃん」
「あははー....。そんな名前があるなんて知らなくて」
「まぁ僕も家を出る前にテレスから聞いたんだけどね。あ、戻ってきたよ」
「準備が整いましたので、奥の部屋までお越しください。」
助神官様の案内について行くと一つの部屋につきました。
その部屋は採光用の小さな窓と魔法陣のような絵が床に描かれているだけの薄暗く広い部屋でした。
「あそこに描かれている陣の中で膝をついて祈りを捧げてください。するとグリモール様からの御加護を頂戴できます。くれぐれの祈祷の途中で集中を解いたり、集中を遮るような行為はおやめください。」
「「はい」」
「それからですね———」
助神官様から注意事項とやり方を聞いた後、クロから儀式を始めることになりました。
「じゃあ、行ってくるよ」
「頑張ってねー!」
クロが膝をつき、祈りを捧げる。
しばらくすると陣が光り、何もない天井から光が降ってきました。
その光が収まるとクロは立ち上がり、何やら興奮した様子で戻ってきました。
「すごい!すごいよ!多分だけどグリモール様の御声が聞こえたよ!」
「それは貴方様が日頃から良い行いをしているお陰ですね。珍しいことなんですよ、御声が聞けることは」
クロの報告を聞いた助神官様もかなり興奮している様子でした。
「それでは続いてアリスティア・ロナード様、行ってらっしゃいませ」
「頑張れー」
クロの応援をもらい、ちょっと緊張しながら陣の中に入り、膝をついて祈りを捧げます。
暖かい陽の光を感じたかと思うと、膝と爪先にあった床の感触がなくなったように感じました。
「ぅおっほん。聞こえているかね」
宙に浮いてるような不思議な感覚と急に聞こえてきた声に困惑しつつ、返事をします。
「はい、はっきりと」
「そうかそうか。お、そうじゃ。目はもう開けていいぞ」
恐る恐る目を開けてみると、そこは白いような黄色いような不思議な空間が広がっていました。
そしてその空間の中にポツンと座っている立派な髭を生やした老人がいました。
老人の前には机があり、座布団が1つ置いてありました。
「そこにお座り。アリスティア。いや、挟間恵美の方がいいかな」
「は....?えっ?」




