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92.干渉

間に合ったので今日も投稿します

「「「「「干渉....?」」」」」


「そうです。皆さんはなぜ詠唱をしなければならないか知ってますか?」

「魔法陣を描くため」

「魔法陣を描くのにそこまで時間はかかりませんよ?」

「使いやすくするため?」

「そうですね。詠唱は少ない理解でも魔法を使うための手段の1つではありますね」

「威力?」

「威力は詠唱によってあまり変わりません。上級者は短い詠唱で威力を出してきます」

「『干渉』って言葉が鍵なんですか?」

「その通りです」

「干渉....魔素?」

「大正解!あってますよ、カタリア(クロの家名)さん。詠唱によって魔素に干渉しているのです」


先生が魔法が発動するまでの手順を銀板(タブルノア)に文字と簡単な絵で書きはじめます。


「魔法は魔力を使って魔法陣を描き、魔素を使って発動する。これはあながち間違っていません。でも厳密に言うと間違っているのです」


と言いながら銀板(タブルノア)に人と魔素を簡単に書き、指を指しながら説明します。


「魔力を使って魔法陣を描く、これは魔素に対する指示文みたいなものです。そして詠唱、これは魔素に対する呼びかけです。魔素を見えない小動物と考えてください。呼びかけを聞いて、指示文を読み、指示された現象を起こす。これが魔法の発動です」

「じゃあ詠唱破棄とか短縮ってどういうことなんですか?」

「少ない呼びかけで多くの魔素が反応する、そう考えて見ればどうですか?」

「短い詠唱でもたくさんの魔素が反応してくれる、ということ?」

「えぇ、そういうことです。そして【ヴェントレイム】と【風の刃を撃つ魔法(ヴェントレイム)】の違い、分かりますか?」

「発音が違う?」

「ロナードさん、大当たりですよ!先程魔素を小動物に例えましたね。魔素には魔素の言語があります。最も近いとされているのが古語なんですが、今では話せる人はいません。そして次に近いとされているのが“凖古語”です」


ヴェントレイムの隣に“現代語”と、風の刃を撃つ魔法(ヴェントレイム)の隣に“凖古語”と書きました。


「古語は失われた文化ですが、その存在は証明されています。実際に古語で書かれているであろう書物をいくつか我が学園が保有しております。気が向いたら古語の研究をしてみるのも一興かと」


ゴーンゴーンゴーン


この鐘の音は授業の始まりと終わりの合図。

始まりには2回、終わりには3回鳴ります。


「さて、本日はここまでです。次回、現代語と凖古語の違いについて説明していきます」







授業が終わった後、2個前の席に座っていたクロがやってきました。


「次は属性別だったよね?」

「そうだったと思うよ。クロは風と水だったっけ?」

「うん。僕は次、風魔法なんだけどアリスは?」

「私も風だよ!確か第2教室だっけ?」

「そうだよ。行く?」

「うん行こっか」


クロと一緒に第2教室に向かいながら、さっきの授業の話をしました。


「さっきの授業ってクロがこの前言ってたやつだよね?」

「そうそう。でもここまで深くは聞いてないからほとんどが初耳だよ」

「だねー。気づかないうちに凖古語を使っていたとはね」

「え、アリス誰かから習ったわけじゃないの?」

「わけじゃないよ。だって5歳の時とかは全然だったでしょ?」

「アリスは元から魔法が上手かったから分かんないよ。それにとの時は詠唱の違いなんて気にしてなかったし」

「クロはどうやって凖古語になったの?」

「アリスの発音を真似てみたり、ここ(学園)での特別授業で聞いたり、かな」

「へぇー。多分普通はそうやって知るもんなんだろうね」

「そうだよ!アリスがおかしいだけだって!」


今思い返してみればお母さんの詠唱も凖古語じゃなかったっけな?

なんてことを考えていたら第2教室に着いていました。







本作品を読んでくださっている読者の皆様、1年間本当にありがとうございました。

来年もまだ続きますのでどうぞ宜しくお願いします。


それでは皆様、(今度こそ)良いお年をお迎えください。

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