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062番  作者: ︎︎
[少年から062番へ]
13/14

不釣り合いな力

 (頭が痛い...)

寝過ぎによる頭痛かはわからないが、最悪な状態で迎えた朝。身体を起こそうにもダルくて起きる事が出来ない。

(初日に寝坊は流石にまずいか...)

私はうつ伏せになり、腕立て伏せのポーズを取る。身体に無理やり負荷を与えれば眠気が飛ぶだろう作戦だ。

そのまま二十秒キープし、足を引っ込めて正座へと体勢を変える、バッチリだ。

時計を見ると時間は九時を指していた。

(訓練とか点呼とかないのか...?)

私は万が一の寝坊という線を考え、机の中にある万能ノートを開く。

(大抵こういうノートは最初か最後に一日の流れが書かれているはず...)

私の予想は的中し、最初のページには【一日の流れ】が書いてあった。

「十二時半...点呼開始か」

(夜更かししても十二時くらいまで眠れるというのはとてもありがたい)


 クローゼットを開けて制服に着替える。

(測られてないのにサイズがピッタリ...これも契約の儀式とかいう物で分かられてるのだろうか)

ゾッとする想像をしながらクローゼットを閉める。

部屋を出ようと振り向いた時、少しばかりカーテン側に目が吸い寄せられてしまった。

勿論ながら不可抗力だ、深い意味は無い。

半透明で僅かに見えるカーテンの奥には、なんとも幸せそうな寝顔をしている少女が一人。

(【可愛い物を見ると癒される】これを言葉にした人間はこんな気持ちだったのだろう...あっなんかムニャムニャしてる)

下手に長く見ていると自分を変態だと自分自身で思ってしまう為、私は早々に切り上げて部屋の外へと出た。


 地下一階、一階、二階、三階、それぞれの階にある部屋のプレートを確認しながらまわって行く。

地下一階は私達の部屋と同じように寝る場所となっていた。

一階はお風呂、食堂、トレーニングルーム、書庫、休憩用スペースのような物等など、娯楽と言っていいかはわからないがそういう系の施設なども存在していた。

二階は来客用の部屋や作戦会議用の部屋など、キッチリ系統の部屋達が並んでいた。

そして三階...ここは見ることさえ出来なかった。どうやら第一等~第五等達の部屋や会議室となっており、階段部分に見張りが立っていた。


 中の確認を終えた私は、外に出る。

建物の横には黒マントの銅像が二つ置いてあり、銅像の土台には時計が埋め込まれていた。

(まだ十時か...)

円形型の大きな地下を探検するにはちょうどいい時間帯だった。


 私は建物から出て直進、上へのエレベーターがある方向へ向かった。

(ここに来て最初に見た時の光景...模擬戦らしき物をしていた黒マントの二人、あの強さで魔法を使っていない...いや、使えないのか...)

私が鮮明に思い出す程脳裏に焼き付いた光景。

目に追えない速度で剣を交え、一回一回のぶつかりで衝撃波を出す程の威力。

(あんな化け物がニンファエアにはもしかしたら沢山...25番や26番の戦ってる姿は見た事ないが、あの二人もあれ程の力を有しているのだろうか)

私はいつの間にか汗をかいていた。

恐怖や緊張とはまた違う何らかの「焦燥感」に私は駆られていた。

私は焦燥感を打ち消すかのように、中央の施設からエレベーターまで続く一直線の道を本気で走ろうとする。

深呼吸をし、体勢を整え、心の中で三・二・一とカウントダウン、スタートダッシュを切った。



私は二歩目の足で気づいた、【速度が早すぎる】と...。

百メートルあるかないかくらいの距離を約10秒で走り終えたのだ。

(私の前世の世界では、最速と言われたボルトさんで百メートル九秒五八...)

まだボルトさんを超えてはいないものの、その速度は少年から出て良いものでは無かった。

(これはもしや...アネシス様が契約の儀式で言ってた力を僅かながらに貸してあげるというあの...)



私は無理矢理にでも理由を見つけ、今自分の中にある力に感謝をした。



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