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062番  作者: ︎︎
[少年から062番へ]
10/14

契約の儀式

 彼ら「ニンファエア」が拠点とする地下まで連れられた私は、そのまま中央にある3階建ての大きな建物へと連れられた。


外見が城のような形状でまさかと思ったが...中にも城のようだった。入口から奥の階段まで進む赤いカーペット、傷一つ無い白い壁、壁に設置されたオシャレなランタン、The・お城のような景色が広がっており、テロリストのアジトとは思えないほど清潔感に満ちていた。

「ここの部屋でお待ちを」

26番が来客用の部屋らしき所まで案内してくれた。

(やはり中まで清潔感に溢れている...ホコリ一つも見当たらない程だ)

掃除には少し自信がある分、こういった部屋を見せられると少し満足感が得られる。

中央に設置されている椅子に座ってみる。

「これはッ...!?」

フワフワだ...こちらに転生してきてからは木造の椅子で日々過ごしていたからか、私は声を出すほどに虜となっていた。

横になって体全体で味わっていると、扉の開く音がする。私は咄嗟に姿勢を元に戻す。

扉からは26番と二名の黒マント、そして周りとは少し違う黒マントを羽織った女性が入ってきた。

礼儀マナーは殆ど無いが、立って挨拶くらいはと思い立ち上がろうとする。すると女性の方は

「座ったまま大丈夫ですよ」

と、気遣ってくれた。

「ありがとうございます」

女性はニコっと笑い、テーブルを挟んで対面にある椅子へと座った。

後ろには帯刀した黒マントが二人、そして私の後ろには26番が移動した。

「この少年があの協会で騎士達を...?」

困惑なのか驚きなのか分からない声で女性は26番に声をかけている。少年ではあるが...中身はちょうど三十前後だ。

「はい。到着した時には協会に居た騎士達、八名が全員死亡していました」

「そうですか...」

目の前の女性はこちらに視線を送ってきた。私は慌てて下を向く。

「挨拶が遅れましたね。私はアネシス、テネブラエとその周辺国を任されている者です。宜しくお願いしますね」

意外と礼儀正しい、いや管理する者ともなればそれはそうか

「宜しくお願いします。私はモルスと言う者です」

素っ気なく答えてしまったように見えただろうか...少し心配だ。

「早速ですが、まず組織に入るご意思がある事を確認します。入るという事で間違えはないですね?」

私はゆっくりと頷く

「分かりました...ではまず組織の番号を与えます。これからはその番号を自身の名前としてお使い下さい」

「先ほど私の仲間が、貴方と一緒に来た少女に061番として番号を与えたと聞いたので...貴方には062番として、今後任務に赴いてもらいます」

(少女...25番が背負っていたあの子の事だろうか)

「分かりました」

「では契約の儀式を行いましょう」

(契約の儀式...?異世界ハーレム系と言えば王道モノだな)

私はアネシスと名乗る女性に指示されるがまま、女性の前でしゃがんだ。

「では、行きますね」

女性が私の頭の上に手をかざし何か唱える。

すると突然、床に私の体がピッタリ入るくらいの魔法陣らしき物が出現した。

アネシスが呪文のような物を唱え出す

「この者に私の配下として、刻印を授けたまえ」

魔法陣が光出し、私を光で覆った。

私は眩しさにやられ目を瞑っていると、アネシスが私に声を掛けた

「終わりましたよ、鏡をどうぞ」

鏡を受け取り顔を確認すると、私の目が黄色に光っていた。

「これは一体...?」

私はアネシスへ質問を投げかける。

「契約の儀式をすると、私や私と同じ立場にいる方々から居場所が分かるようになるんです。その代わり契約した人と同じ目の色になりますが、僅かながら私の力も使えるようになります」

(悪く言えばGPSの代わり、良く言えば力の提供か)

アネシスは続けて話した

「今日はもう遅いですし、部屋で休んで明日ゆっくりとお話をしましょう」

「ありがとうございます」

アネシスはニコりと笑い、そのまま黒マント二人と部屋を出ていった。

「改めて、ようこそニンファエアへ。部屋へ案内しよう」

26番が出会った時のようにタメ口で話し掛けて来た。ただ出会った時よりも優しい物言い...言う所の親戚のお兄さんみたいなものだ。

「ありがとうございます」

私が返事をすると26番は歩きながら返答した

「敬語はいらないよ、もう同じ組織に所属する仲間なんだから」

やはり親戚のお兄さん感が凄い。

来客用の部屋があった二階から一階、そして地下一階へと降り、等間隔で置かれた部屋の中から階段に近い方の一室へと案内された。

「ここが今日から君が暮らす部屋だ。最初は少し慣れないだろうが...頑張ってくれ」

なぜか26番は含みのような、同情するかのような言い方をして早々に立ち去って言った。

私は扉を開ける




そこには、協会で私が刺しそうになった少女が、服を着替えようとしていた。


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