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さんじゅうよん、
それはあまりにも突然だった。幸せはこんなにも呆気なく終わるものなのかと、私は痛い程に知っていたはずなのに、わかっていなかったみたいだ。
今度こそずっと共にいれると思っていた。
今度こそ、同じ世界で同じ時間を二人生きていけると信じて疑っていなかった。
それなのに。
ああ、どうしていま私はここにいるの?ねぇ、どうして私達はこうなってしまったんだろう?
心臓の拍動に合わせて、単調な機械音が永遠のような時を刻む。消毒液の匂いに満ちた、白い白い無機質な空間。私の目の前にあるベッドに横たわり眠る、その人の顔が涙でぼやけてはっきりと見えない。ずっと見ていたいと思うのに、見ていたくない。矛盾してるなんてそんなことわかってるよ。だけど、どうしようもないんだ。
ねぇ、どうして。私達は何処で何を間違えてしまったの?
それを教えてくれるはずの彼は、まだ目を覚まさない。
崩れ落ちる。
(そして、私の思考はループする)




