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泡沫の。  作者: 惠元美羽
33/42

さんじゅうさん、


『……ねぇ、もう眠いよ。疲れたもう無理』

「何言ってんの。まだまだこれからでしょ、頑張りなって」


今夜、もう何度この会話を繰り返しただろうか。時刻は既に深夜二時をまわっている。こんな時間まであの子の声が聞ける、なんて嬉しかったのも最初だけ。そろそろこの電話越しの攻防にも疲れてきて、机の上に広げられた教科書やノートの上にぐったりと突っ伏す。明日は朝から定期試験なのだ。普段から真面目に勉強していれば、前日になってこんなに焦ることも無かったのだろうけど、残念ながら俺もあの子もそんなに真面目じゃなかった。

睡魔に負けて次の日にいつも後悔するから、と電話という提案をしたのはあの子だ。お願い助けてと涙目で縋られれば、俺に断れるわけもなく即答で了承。むしろ頼られた事が嬉しかった訳だが、できれば今からでもいいのでその言葉を撤回したい。


『………………、』

「ちょ、寝ちゃダメだって!起きろコラァ!!」












深夜二時十五分の攻防。

(聞こえたのは、電話越しの寝息)




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