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泡沫の。  作者: 惠元美羽
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さんじゅう、


一人で過ごす昼休みは、外の非常階段で過ごすことにしている。午前中は日光で照らされているが正午を過ぎると校舎の影となるその場所は、コンクリートに直接座り込んでも体が冷えない快適さがお気に入りだ。部活の合間なんかに昼食を食べるのはいつもここだ。

お弁当を食べ終わってひと息つく。ふと視線を上げた先に青空が見えた。校舎の窓ガラスに映った、あおいろ。綺麗ではあったけど、どこか切なかった。本物の空よりも少しくすんだ色は、まるで色褪せた写真のようにも見える。


『……帰ってきて下さい』


『二人で生きていけたら……それだけで幸せだったのにね』


一瞬、脳内に映し出されたのは忘れたはずの光景。はっと息をのめばすぐにそれは消えてしまった。












窓ガラスの中の青空。

(忘れたくなかった想いの記憶さえも、映し出して)



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