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泡沫の。  作者: 惠元美羽
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にじゅうきゅう、


ドロップキックってどんな技?


それは私の好奇心からきたほんの些細な疑問だった。姉弟喧嘩をしたという友達の会話に出てきたその単語が、不意に頭に浮かんで思い付きで口にした。ただそれだけだったのに。


「てめぇ上等だぁ……表に出やがれ!」

「ここグランドなんだけど。そのセリフ古いんじゃない?ねぇ」

「それを言うならお前の髪型も時代遅れだろうがよ」

「ちょ、ヘアバンド馬鹿にすんな!バカ!」


ぎゃあぎゃあと顔を突き合わせて怒鳴り合う三人の友人達を遠巻きに見て、溜め息。いい加減帰りたいのだが、一緒に帰る約束をしているため帰ろうにも帰れずにいるのだった。再び溜め息をついたその時、背後からかかった声。



「どうした?」


尋ねられて騒ぐ三人を指差せば、返ってきた苦笑い。

ドロップキックってどんな技か聞いてみただけなのにとぼやけば、なるほどわかったと鞄を置いた彼。そして私が声をかける間もなく三人に向かって疾走。呆然と見つめる私の視線の先。彼は勢いよく両足で地面を踏み切ると、


「げふっ!!」


容赦なく両足で一番背の高いその人の背を蹴り飛ばした。


なるほど、あれか。ドロップキック。


一人納得する私に満面の笑みで手を振る彼がやけに眩しかった。










百聞は一見に如かず。

(つまりは実践が一番手っ取り早いということだ)



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