にじゅうなな、
さいしょはぐー、じゃんけんぽん。
「……また私?」
あはは、よろしくねと無邪気に背を押す友人達を恨めしげに見ながら教室を後にする。階段を降りて、目指すは体育館横の自販機コーナー。
ちゃりん、と小銭を入れてボタンを押す。紅茶に緑茶、コーヒーに炭酸飲料。あとは自分の分だけだ。
「あれ?」
かちかちとボタンを何度か押したところで、それが売り切れである事に気付く。
「うそ……最悪だぁ」
楽しみにしていた分の反動でガックリと肩を落とせば、背後から声をかけられる。
「悪い、たしか俺で最後だった……って、え?」
振り向いてみて驚いた。なんとも懐かしい、欠片となった記憶の中で見た顔だった。向こうも驚いているところからして、彼も私の事を覚えているのだろう。
「久しぶり……だね?」
「お、おう」
そう言ったきり固まってしまっている彼の手にあるものを見て、思わずにやける。
「お、お前覚えて……!?」
「……変わってないみたいだね」
可愛いと呟けば、はっと手にしていた物を凝視して顔を真っ赤に染め上げた。
「う、うるせぇよ!やる!」
そう言うやいなや、手にしていた紙パックを私に押し付けて逃げ出した彼にしばらく笑いが止まらなかった。
いちごみるく。
(甘くて美味しい、ぴんく色の定番飲料)