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にじゅうろく、
昼からの授業はとにかく眠い。いくら怖い先生の授業だとしても、迫り来る眠気というものにはなかなか逆らえないものだ。
かくん、と首が揺れる。だめだ。いま寝たら死ぬぞ、私。なんて自分に言い聞かせてみて、眠気覚ましにと視線を窓の外へそらす。どこかのクラスは体育らしく、わあわあとボールを追いかける姿はとても楽しそうだ。羨ましい。……あ。
「おお、ナイスシュート」
「どっちが勝ってるんだ?」
「うー、得点板まではさすがに見えない……」
ってあれ?
私はいま誰と話してる?
冷や汗がつぅっと背に流れるのを感じながら視線を動かせば、目の前には先生。
「で?授業はちゃんと聞いてたんだろうなぁ、おい」
あはは。乾いた笑いしか出てきません。誰か助けて、なんて思っても誰も助けてくれるはずもなく。
「……覚悟はいいか?」
やるしかないさ、女は度胸だ。笑ってごまかせ。
げんこつ3秒前。
(痛みのあまり、机の上で悶絶)
(クラスメートはみんな爆笑)