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アイテム小説

錬成品 なんちゃってソーダ水

作者: 仲仁へび



 私は錬金術師、色々な物を組み合わせて錬金術を使い、新しい物を作り出すのが仕事。


 今回は、子供が楽しく飲める飲み物を錬成するのが目的ね。


 近所の奥様方の依頼で、それほど報酬があるわけではないけど、付き合いは大事。


 いざという時、人の縁が苦難を助けるものだと思えば、これくらいの苦労はどうってことないわ。


 さて、どんな飲み物にしようかな。


 カラフルな色の飲み物が良いわね。


 最近、他の錬金術師が作ったソーダ水なんてものをまねてみようかしら。


 色とか変えて、味とかもちょこっと。


 よし、アイデアがまとまってきたわ。


 さっそく行いましょ!






 材料をそろえて、鍋に入れて、想像力を働かせながら、ぐるぐる。


 魔法を使って錬金術を使い続けること、一時間。


 よし、完成したわ。


 私はその飲み物を瓶につめた。


 注ぐ時に、しゅわっと気泡が生まれて、はじける。


 試しに飲んでみると、なんとも言えない清涼感と刺激が喉を刺激する。


 うん、成功だわ。


 錬成品の状態を保存できる、特殊な箱にしまいこむ。


 私はさっそく、依頼主である奥様の家へ届けに向かった。


 届けにいった奥様はとても喜んでくれたわね。


 ちょうど遊んでいた子供が帰って来たみたいだから、さっそく飲んで感想をきかせてくれると言ってきた。


 私はそのソーダ水について、最初はちょこっとずつ飲むといいと伝えておく。


 知らないで大量にのむとむせちゃうもの。


 ごくごく。


 ぷはっと一息ついた子供は、「おいしい!」と言ってくれたわ。


 よかった。


 お金を得る事も大切だけど、お客さんが満足してくれる事がとても嬉しいわ。


 でも、子供は「噂とちょっと違うや」と言ってくる。


 何か不満げだ。


「だってこの、そーだすい。沸騰したお湯みたいにずっとぶくぶくいってるし、泡がつよく跳ねるから目に飛び込んで涙が出ちゃうよ」


 うっ、そうなのよね。


 私の錬成品って、たまに問題が起こるの。


 なぜか時間が経つと、効果が強くなっちゃうのよね。


 それに色だって、緑になったり紫になったり、飲み物じゃないみたいな色してる。


 あと、見た目が悪くなっちゃうのが問題。


 はぁ、まだまだ修行が必要みたいね。


「でも、おいしかった。またそーだすい作ってね」


 私は、嬉しさ半分、悔しさ半分で自分のアトリエへ帰っていった。


 こういう声が頑張るための励みになるのよね。


 失敗は多いけど、次こそは頑張ろうって思えてくるわ。



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