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これはセ界を救わない話

「ようこそユピテルへ

 我々はあなたを歓迎します」


その生物(ユピテル人)は「ゆるキャラ」みたいな感じって言えばいいのか、身体の丸い優しそうな顔をしていた。

(´・ω・`)みんなこんな顔をしているので、男性女性の違いは自分には分からない。


「藤村さんを我々とヤキウ人の争いに巻き込んでしまって、申し訳なく思っています」


「その辺りの話は自分も監督とか城田さんから聞きましたが、あなたたちの方も巻き込まれているじゃないですか」


ユピテル人とヤキウ人の事を簡単に説明すると、無茶をして自分たちの国から追い出されたヤキウ人が、ユピテル国に助けを求めた事から始まる。

ユピテル人は「それは大変でしたね。こんな何もない所ですが落ち着くまで、ゆっくりしていってください」とヤキウ人を国に入れて助けた。

初めはヤキウ人達は静かに過ごしていたが、ユピテル人が人畜無害と気づいて、少しずつ本性を出し始めた。

そしてヤキウ人のユピテル人の大虐殺が始まる。

ユピテル人は地球の胡瓜に似た食べ物が主食なのだが、ヤキウ人はこれに因縁をつけて来た。


(´・ω・`)「キューリを出荷よー」



彡(゜)(゜)「キューリなんて何の栄養もないゴミやんけ。馬鹿にしてるんか」



(´・ω・`)「ええー」



彡(゜)(゜)「でも食い物以外はええ場所やな」

彡(゜)(゜)「空気もうまいし最高やな」

彡(゜)(゜)「ここをワイ等のキャンプ地とする、じゃなくてワイ等の国にする」

彡(゜)(゜)「せやけど、そうするのには、ここにいっぱい邪魔なんがおるな」



彡´⌒`ミ

(´・ω・`)「そんなー」




そんな感じでユピテル国はヤキウ人に乗っ取られた。

今、ユピテル人はヤキウ人の奴隷扱いで生かされている状態だ。



ヤキウ人の一番の特徴としては、我々の世界の行われている野球が大好きだ。

野球の試合を観ている間は野球に集中してただでさえ低い知性が下がる。

だからと言って彼らは体力がある訳じゃない。

ユピテル人よりも強いだけで、実はヤキウ人も大して強い人種じゃない。

言ってみたらヤキウ人は、野球を見せていたらそんなに害は無いともいえる。


ヤキウ人からユピテル人を救うと言う意見もあったらしい。

でもそれはユピテル人から拒否された。


彡´⌒`ミ

(´・ω・`)「彼らは口は悪いけど優しい人も多いんだよ、野球が絡まなければ、殆どが優しい人達なんだよ」



彡´⌒`ミ

(´・ω・`)「その手は人を殴るためでなく人と手を繋ぐため その口は人を差別するためでなく、人と愛を語るためにあるんだよ」



こんな感じでとにかく優しいユピテル人の気持ちを考えて、異世界の存在は基本的のは地球人には隠されている。


変な地球人がこっちの世界に住んじゃうと「そして最強格闘技テコ〇ドーで劣等民族ヤキウ人を殲滅だ」

とか言い出してしまい、ユピテルのある世界が滅んでしまう可能性がある。



ヤキウ人はこんな感じで、野球を好き、野球選手が好き、野球の記録が好き、って言う事だけ。

だったら本来何も問題がないはずなんだけど。

彼らは、お金絡みの話題が好き、変な審判が好き、乱闘が好き、ヤジが好き、選手の不祥事、とにかく野球絡みのトラブルが好き。

彼らは基本、揉め事が好きなんで、異世界から試合を手出しをして来るのが問題となった。

こっちの世界のネットに悪口を書き込んだり、球場にいるファンの身体を使ってヘイヘイと大声をだしたり。

前に城田さんに見せて貰った動画みたいに、酷い時には選手や審判の身体を乗っ取る事もある。

ちなみに何で野球だけか?は良く分かっていない。



だから地球人はユピテル側の世界にめったに呼ばれる事はない。

特に俺みたいなプロ野球選手と言う存在は、ユピテル人にもヤキウ人にも色々影響があるんでめったに来る事はない。

具体的には日本人は才野茂さんがメジャーに移籍した年に一度来ただけ、ジローさんだけは何回も来た事があるが、ゴリラ松阪等それ以外の選手が来た事は無い。

兼本監督も城田さんも来た事無い世界に、俺が何故呼ばれる事になっているか。



それは俺のボールの質が特殊な事が判明したからだ。

前に俺の動画を観た時に城田さんに「ヤキウ人が見えてない時に、たまたま倒せるボールを投げれるピッチャーはお前位だよ」と言われたけど、その場ではどういう意味が良く理解して無かった。

ヤキウ人の事が見えてる選手は、色々な方法で試合に絡まなれいようにしていた。

見えてる選手が、珍プレイ好プレイを起こした時は、ほぼヤキウ人絡みが多い。

ヤキウ人が見えてない俺とかのプレイは、彼らの予想外の場合が多いので、その分食らうとダメージが大きい。

それが特に大きいのが俺の荒れ球みたい。



で、俺がユピテルに呼ばれたのは、俺の今後のプロ人生で、効率良くヤキウ人を倒せる様にこっちで練習する事にしたからだ。

ある意味キャンプインみたいな物(ただし異世界で)だな。

俺は試合中に危険球を投げて、ヤキウ人を倒す事が多かった。

だけど当然そんなピッチングを練習する事は出来ない。

ユピテルでヤキウ人を倒す事は、俺にとって投球練習になった。



その年から俺は、日本ではほぼ2軍で過ごす様になった。

ヤキウ人はネットでは「藤村はガチでイップスwww」と言ってるみたいだが、実際は俺はユピテルでお前らを狩ってるんだよと、何度言いたくなったか。

ただ、ヤキウ人を狩る時に弓矢を使っていた為、その癖が試合中にも出てしまい。

地球で「弓引きポーズ」をするのは、兼本監督からもダメ出しを喰らってしまった。※後書き参照



そんな感じで地球でもユピテルでも過ごしていたんだが、どんどん日本で過ごすのが辛くなって来た。

俺の事について兼本監督が結構批判されている事だ。

もう何年も経つのに俺が161球投げた試合を批判したり、あれで兼本は藤村を壊した。と言われるのを聞くのが正直辛くなってきた。


一番ショックだったのは監督が急に解任された事だ。

スパイスってチームがオーナーのワンマンチームって事は分かっていた。

兼本監督は前年に2年契約を交わし、今年は順位は気にしなくていいのでチーム育成をしてくれと、言われたからその言葉を信じて若手選手を起用してたら、ベテランを使いこなせないのでクビな。

と言われたって聞いた時は正直呆れた。

しかも俺のピッチングの事も監督がクビになった原因の一つらしい。

スパイスのオーナーはユピテルやヤキウ人の事を教えて貰ってないらしい。



それを聞いて俺も心が折れた。

チームから兼本監督の派閥のコーチがいなくなって、普通(・・・)に俺のピッチングを修正しようとするコーチが現れた時、このチームで俺の居場所があるのはもう少しだな、と思った。

俺のボールの価値を分かってくれるのは大阪スパイスにはいなくなった。

俺はその頃はユピテルと地球と半々の生活を送っていた。

ユピテル人にも前からこっちでずっと暮らさないかと、誘われていた事もあり。

本気でユピテルでの暮らしを中心にする事を考え出した。









~エピローグ~






あの人は今  元大阪スパイス 藤村七五三一(しめいち)さん(30歳)


2024年、日本シリーズ。

それをテレビで見つめる男がいた。

18歳で将来を嘱望され大阪スパイスへ入団した、藤村七五三一さんだ。


「あの頃は若かったですね(笑)」若き日を回想する藤村七五三一さんは、どこか寂しげだ。

「未だに当時の夢を見ることがあるんですよ。ワールドシリーズで、俺が完封して活躍する夢を」


藤村さんは24歳の時に野球を辞めてユピテルに永住する事を世界に発表した。

まだ地球人が殆どユピテルの存在を知らなかった頃だ。

色んな苦労があったと聞く、でも今の藤村さんはそれを感じさせない笑顔で過ごしている。

今はたこ焼き屋を営む傍ら、地元の少年野球のコーチを勤めている。

暖簾の屋号の文字は元スパイス、兼本監督の手によるものだ。


「いらっしゃい」ユピテル中心街から歩いて3分。

「たこ焼き 骸骨」のえび茶色の暖簾をくぐって店内に入ると白いタオルを

頭に巻いた藤村七五三一さんの元気な声に迎えられた。


「去年の4月にオープンしました。暖簾の『骸骨』という文字は兼本さんに書いて

いただいたものだし、開店に合わせてスポーツ紙やテレビでも取り上げてもらった。

おかげで、地球から足を運んでくださるお客さんが多かったのはうれしかったですね」


藤村さんは本当に嬉しそうに、僕たちに語ってくれた。

とはいえ、その分、プレッシャーも大きかったという。


「ユピテルの人も、最近は本物のたこ焼き好きは飛行機に乗って本場・大阪まで食べ歩きに出かける時代でしょ。

ボクがユピテルの料理を修業した『クトゥルフ』のものは胡瓜がベースなのが特徴だから味噌つけて食べるのが普通で

大阪風のたこ焼きだと信じ込んでる人から、それで怒られちゃったこともあるけど

それも修業のうち。我慢、我慢です」


かつての自分の活躍の事について尋ねると


「昔はヤキウ人を倒す事しか考えてなかったですが

こうしてテレビで放送される位ユピテル人の人にも野球が人気のスポーツとなってるのに

自分が関与出来た事が良かったですよ」


「ユピテルでは綺麗な奥さん(ユピテル人のらんらんさん)にも出会えましたしね」と、おどけ


「俺も怪我さえ無ければ、まだヤキウ人を倒す事が……って、歯がゆいですけど」


「今はもう現役に未練はありません。今度はこの、たこ焼きでユピテル一になれるよう、がんばるだけです!」


(写真)たこ焼きを手に持つ藤村さんとらんらんさん

この小説はフィクションです。

実在の人物や団体などとは関係ありません。


でもフィクションなのに、ソースを貼っときます。

https://www.youtube.com/watch?v=82fjUV1FMoA



ちなみにセ界は藤〇さんが救いましたが、パ界は美〇学が救いましたw

「避けようとすれば避けれる」

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