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ソーイングスキルで目指せ魔王様~その魔物、俺たちのハンドメイド~  作者: あーちゃんママ
第4章 クロスレンチ
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脱獄

「・・・おい」



誰だよ・・・牢獄は音が響くんだ、静かにしろよ・・・。


「おい」


しかも解剖されるかもしれないだと・・・ふて寝だふて寝。


「起きろと言っている」

「はぇ?」

鉄格子の前に誰か立っている。

すっぽりと顔を隠すほどのマントを着た渋い声の男。


「・・・やっと起きたか」

そういうと男は鉄格子の扉を開け、


・・・中に入って鍵を閉めた。


出してくれるの?という淡い期待は裏切られた。何で入ってくるの?

「え?なんですか?え?」

「鉄格子を掴め」


だから、ぜんっぜんわかんないんだってば!


サイコ騎士といい、こいつといい、コミュニケーション取る気がない奴が多すぎるだろ。

「―――さっさとしろ」

「はい・・・」

凄むなよまったく。怖いだろうが。



「よし、どけ」

鉄格子を掴めと言われて掴んだら、今度は離せと。

全くわからん!と頭を抱えていたら、男は俺の手の位置にあった鉄格子を掴むと横に開いた。


グインと一瞬音が鳴ったが、すぐに静寂が戻ってくる。

男は壊した鉄格子から外に出ると、向かいのテオドールがいる檻に向かった。


俺の鉄格子が曲がった位置と同じ位置まで屈み、鉄格子を横に開いた。

「・・・お前の連れていた奴隷がこの檻を開けた。俺は見ていない。・・・外に馬がある。さっさと行け」

男は地上への階段を音もなく上がっていった。




「・・・何あれ?説明聞いてもいい?」

「あーオルソンだよ。いつも助けてくれるの。今回の言い訳はディーが檻をこじ開けた!だって」

あの強面のおっさんか。なるほどわからん。


「詳しくは後で話すよ。さあ行こう」

地下牢獄を出るとすっかり夜だった。見張りはどこにもいない。


門をこっそりと抜けた先には馬が二頭、隠れるように木に括りつけられていた。

「・・・俺馬に乗ったことないよ」

「偶然だね、僕もだよ」


何とか馬によじ登るが、座る前に馬が歩き出してしまう。

「あ、ちょっと待って、まだ座ってない」

「ディー助けて、うわっっ」

テオドールは座れたものの、馬が立ち上がり落とされていた。

乗馬の訓練をしておけばよかった・・・。


何とか座り直すと、ゆっくりと歩き出す。

「それで、どこに行くんだ?」

「うーん・・・知り合いのドアーフのところに隠れさせてもらおうかな。あそこならダンジョンも近いし。【バルバラ】って町のはずれにあるんだ」

「じゃぁ【バルバラ】に向かうか。行け!」

綱を持ち、軽く馬の腹を蹴ると、徐々に走り出した。




「うわぁ!すげぇ!俺風になってる!」

ガクガク揺れるが、明るくなり始めたおかげで遠くまで見渡せる。

「僕も初めて乗ったよ、すごい!速いね!」



テオドールと二人、【バルバラ】を目指した。



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