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ソーイングスキルで目指せ魔王様~その魔物、俺たちのハンドメイド~  作者: あーちゃんママ
第3章 初級ダンジョン
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スライムの魔石

丸1日、道具屋からもらった布でぬいぐるみのストックや端切れでリボンを作ったりしながら過ごしたが、テオドールの2~3日と言うのが気になっていた。


「なぁ、1日で魔石ができてないか試してみないか?倒せるかの確認を兼ねて」

「それいいねーやろっかー」

スライムがどの程度の強さなのかわからない。

・・・もしかしたら死ぬかもしれない。

戦闘スキルがない以上全力で挑もう。


小部屋から出て岩陰に隠れながら進んでいく。

スライムは最初に作った部屋から出ておらず、同じところをぽわん、ぽわんと跳ねていた。


「ずっと見てると愛着わいてきちゃうねー」

「呑気なこと言ってないでやるぞ」

ダッと駆け寄るとスライムが驚いたように一瞬伸びた。


―――やめろよ、そういう可愛い仕草をされても俺には通じないんだからな!


「はぁっ!!」

ゴブリンキラーを横一線に薙ぎ払うと、リボンとスライムの体が二つに分かれた。


―――スライムってこの程度で死ぬのか?そもそも急所はどこだ?

じわっと汗がにじむが、飛び出してしまったのだ。ここは引くことはできない。


動かないスライムをじっと睨んでいると、じわっとスライムの体が崩れた。

その体は床に溶けるような、空気に混じるような、そんな不思議な光景だった。


「やったー。これいけるね」

後ろに控えていたテオドールが嬉しそうに駆け寄ってくる。

どうやら心配し過ぎていたようだ。無事にスライムは討伐できた。


「あ、これ魔石だよ!初魔石!」

足元には爪の先くらいの小さな青い宝石が落ちていた。

仄かに光る魔力はそれが魔石であると示していた。


魔石、始めて見た。それより―――


「―――魔石出るじゃねーか!」

何が2~3日だ。全然信用ならねぇ・・・。

まぁこれで大幅に時間短縮して金稼ぎができそうだ。


「魔石とドロップ品、冒険者みたいだねー」

「しかし・・・ドロップ品のリボンがボロボロだ。俺としては作ったものを壊されるのは性に合わないんだよな・・・」

ひらっと持ち上げたリボンは下の方が破れていた。


「うーん・・・破壊不可とか魔法付与なんて僕できないからなー」

「ま、しょうがないか。壊さないで倒す方法がそのうち見つかるかもしれないしな。まずは金稼ぎだ」



俺たちは魔石ができる期間を魔物熟成と呼んだ。

どの程度の期間で魔石が作られるかを試すことにした。


一度に複数のスライムを相手にするのは嫌だったから各階ごとに1つずつリボンを投げ入れる。

生まれたスライムにはぞれぞれリボンの纏い方に個性があり、倒す度に俺はちょっとした罪悪感が芽生えた・・・。


結果は魔物作成はすぐできるけど魔物熟成に半日から1日程度。

4層は半日で魔石が出たのに、2層は半日では魔石が得られなかった。

個体差だろうか?それとも階層で魔素の濃度が違うのだろうか?今後も調べていこう。


ダンジョン作成に1日、魔物熟成で2日、魔石が4つ手に入った。

「そういえばこのダンジョンの魔素ってどの程度あるんだ?使い切っちまったりしないのか?」

「んー枯渇することはないよ。ダンジョンは周辺の魔素が中に流れ込んでくるからね。でもスライム5体程度じゃ濃度が下がらないみたい。もっとバシバシ倒さないとディートハルトにも影響出るかもね」


「それはまずいな・・・。よし、町に行こう。その間ここを魔物でいっぱいにする。ここの宣伝と食料の調達をして帰ってくる。冒険者が来れば効率よく魔物は倒されるし、俺たちも必要時魔石を取れるから損はしない」

俺たちは1日かけてせっせとリボンを作ると各階にばらまいた。




ぬいぐるみでもよかったが、ここは初級ダンジョン。


駆け出し冒険者の死体は見たくないのでスライムオンリーにしていった。


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