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99.新魔術増量中

レッドドラゴンは見た目の赤さ通り、火属性が最も得意な竜だ。

氷属性の形質を結集した【氷使い】は既にレベル5だが、肝心の氷属性の魔術は取得していない。


生半可な魔術では通用しないだろうから、オリジナルの上級魔術が欲しいところだ。

攻撃にひとつと、拘束などの補助がひとつは最低限、用意しておきたい。


また【氷使い】はスキルとしても低級なものなので、これも出来れば強力な効果をもつもの、欲を言えばフォーマットから外れた効率のいいスキルに変化させたいところだ。


俺の知識と想像力次第なので、自由度がありすぎて何をどうすれば効率良くできるかは思案のしどころだろう。


というわけで、氷属性の攻撃魔術と拘束魔術をひとつずつ取得してみた。

ふたつともオリジナルだが、氷属性の魔術には詳しくないので既に似たものがあるかもしれないが、そこは気にしても仕方ない。


まず上級攻撃魔術〈アブソリュート・ゼロ〉。

氷属性といえば真っ先に思いつく絶対零度で対象を凍結させる魔術だ。

無事に決まれば同時に動きをも拘束することだろう。


次に中級拘束魔術〈フリーズ・バインド〉。

いくら魔術適性が高くて【並列思考】があるといえど、咄嗟に撃てる妨害魔術があるとないとでは、戦術的にも大きく変わる。

もちろんあった方が有利に立ち回れるだろう。


……中級魔術だとレジストされる可能性は高いがな。


それでも弱ったところに撃てば効くだろうし、牽制くらいにはなると思う。


さてふたつの氷属性魔術を取得したところで、〈付与〉する魔術もまずは氷属性のものを用意しようと思いついた。


とはいえ前述のふたつの魔術ならば素で撃てばいい。


せっかく付与するのだから、傷を与えたところに追加で効果を発揮するようなものが望ましいだろう。


そこで空間属性と氷属性の複合属性で〈コールド・アンカー〉という拘束魔術を開発した。

効果は付与された『鉤短剣』が撃ち込まれた空間を凍結するというもので、効果範囲こそ小さいものの上級に属する魔術である。


上級魔術には準備が必要となるため、動き回る相手に素撃ちするには難易度が高い。

だが予め短剣に付与しておき、それを投げる場合には便利な効果となる。


もっとも上位と中位の複合属性の上級魔術を〈付与〉するとなると大量の魔石を用意しなければならないので、大変に贅沢な投げナイフになる。

もちろん魔石は大量にあるので制作に支障はないが。


というわけで〈付与〉の作業を行おう。



無事に生産作業を終え、今はキメラの形質を奪う作業を行っている。


【氷使い】は【氷の申し子】に変化させた。

これは単純に氷属性の術の効果上昇の効率を良くしただけのスキルで、フォーマットから外れたものではない。

面白味はないが、ひとまず魔術のスペックが高いのでこれで十分だと判断したのだ。


同様に【砂使い】と【雷使い】も【砂の申し子】と【雷の申し子】に変化させておいた。

地属性の魔術は〈セメント・ジェイル〉しかないが、拘束する以外に地属性の魔術で攻撃する場面を思いつかないのでこれはこれで良しとする。


雷魔術はすべてクーラに渡したので新たに創ることにした。


新魔術は〈マグネティック・アトラクト〉。

魔法的な磁場を使って対象を自分に引き寄せる魔術だ。


また〈マグネティック・ブロウ〉という、反対に対象を遠ざける魔術も同時に創り取得した。


単純な雷で攻撃する魔術は実は使い勝手が悪いので、少しひねった使い方の魔術を考えてみた。

攻防での戦術に選択肢が増えたので個人的には満足している。


なお金属によらず対象に磁力をもたせた上で魔法的な磁場を作り出すため、生物を相手に問題なく使用できる。


また〈付与〉用に〈パラライズ・ナーヴ〉という電撃による神経麻痺を狙った魔術も開発しておいた。

またも拘束系だが、手段の違う拘束方法を用意しておくことで、対応を難しくしているのだ。


竜を相手に防戦に回るわけにはいかない、という事情もある。

やはり相手の動きを止めて常に攻勢に徹するべきだ。


竜の防御力とタフネスが羨ましいので、その辺りのスキルをキメラから探しているのだがなかなか良いものが見つからない。


闇狼族という狼を基本とした種族であるため、鱗を生やすのは外見的にミスマッチで落ち着かない。

わざわざ人間の部分を増やしたのに、いまさら毛皮という手もないだろう。


というわけでキメラから奪った【再生】を【高速再生】に変化させるにとどめておいた。

防御力は格闘術〈鉄身〉で頑張ろうと思う。


実のところキメラの皮や鱗などが大量にあるのだが、生半可な防具は意味をなさない。

防御魔術を〈付与〉した程度では焼け石に水で、むしろ邪魔になる可能性もあるため防具の作成は見合わせていた。


そもそも被弾前提の防具は必要ない。

なにしろダメージを負ったらそれだけ動きが鈍るからだ。


今まで通り攻撃は回避し、行動を阻害することで防御とする。


とはいえ性能の高い靴や動きを阻害しない程度の篭手など、ステータスをブーストするための装備ならあって損はない。


というわけで靴と篭手を造った。

靴には〈ブースト・ストライド〉、篭手には〈ブースト・ストレングス〉を〈付与〉した。

共に無属性の強化魔術だ。


ひとまず装備はこれでいいだろう。


さあ、後は神気習得だけだ。

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