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97.遂に出来たメインウェポン

「……ふむ。こんなもんかな」


錬金術により刀を制作して10本目くらいで満足のいく出来のものが完成した。

素材はキメラの牙と爪を〈融合〉したもので、形を〈変形〉で整えただけのものだ。


しかし下手な鋼よりも硬くしなやかなで、元より魔力を帯びた上質な素材だから、刀としての性能は申し分ないはずだ。


鋼ではないから折り返し鍛錬は必要ないが、皮鉄と心金に相当する柔らかくしなりを重視した素材と硬さと切れ味を重視した素材の組み合わせで制作した。

柄と鍔はキメラの骨を用いており、これも非常に質の高い素材で手によく馴染む。


さて、無銘の霊刀はこの刀に満足するだろうか?


――良かろう。

――八神泉樹、お前の造った刀は妾が降りるに相応しい出来と認めよう。


刀に霊刀が宿る。

強い魔力……いや霊力が刀から感じられる。

無事に無銘の霊刀は刀に宿ってくれるようだ。


……ユゴッグには悪いことをしたな。


結局、質の高い刀を自力で作刀してしまった。

約束はしたから数年後には受け取りに行くつもりだが、その時にはもっと良い刀を自作できていることだろう。


チートに頼らない人力鍛冶の極致ということで、実用と美術用とを兼ね備えたものになるだろうから、欲しくはある。

そもそもキメラ素材の刀は金属的な光沢がなく、見た目はイマイチだ。

一本くらい日本刀らしい刀を所持しておきたい。


さて……後はこれの試し斬りと、更なるスキルと術の充実と形質の確保、そして神気習得の練習だ。


それらが完了したら、竜に挑むとしよう。



試し斬りをしてみたが、素晴らしい切れ味だった。


ただ惜しむらくは自前の【刀】スキルがレベル6の神業となってしまったが故に、切れ味については腕前なのか刀の性能なのかいまひとつ判別しできないところか。


とはいえこれならば竜を相手取っても十分に戦えるだろう。


さてせっかくなので銘をつけてやろうと思う。

自分で造った現時点で最高の刀だ、今後も愛用していきたいから名前くらいはつけてやりたい。


さんざんに迷った挙げ句、『百我』と名付けることにした。

失った『白牙』を意識したものだが、牙ではなく我としたのは自作だからだ。

白ではなく百としたのは、この『百我』と同じものを予備を合わせて百本用意するつもりだからだ。


竜に通じるのは疑いもないことだが、予備の武器もなしで挑むつもりはない。

最高の一振りだが、同じものを二度と造れないわけではないのだから、百ほど用意しておけば足りなくなることはあるまい。


というわけで試し斬りも終えたことだし、刀の量産作業に移ろう。

百本も同じものを造るなら、錬金術の効率化も何か考えた方がいいだろう。


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