94.初めて過去視つかったんじゃね
神になることで神気を扱えるようになるのか、神気を扱えるようになることで神となるのか。
順序は不明だ。
だがともかく神気を扱えるようになれば、俺は竜を倒す道筋を得られるし、裏切りの神ヴィータボロスをも射程に収めることができそうだ。
では神気とは何か。
やはり解析班の【並列思考-2】に頑張ってもらいました。
ズバリ神気とは、神の魂のことである。
意外と普通の答えでガッカリしたか?
しかし俺はこの答えにある意味で驚かされた。
なにせ魂を扱うことに関しては、俺はこの世界の誰よりも確実に秀でている。
ことによっては竜よりも。
ならば俺が神気を操る日が来るとしても、そう遠くはないと希望が持てる。
では神と人との違いはなにか。
神の魂と人の魂は何が違うというのか?
答えは何も違わない、だ。
ただし単純に量が違う。
神は莫大な魂を保持しており、文字通りに桁違いだ。
【霊視】と【過去視】を組み合わせて、7柱の侵略神がやってくる以前の世界がどうであったかを視てみれば分かる。
邪神は世界を己の神気で覆い尽くし、支配していたのだ。
そして己の魂から分化した眷属を地上に遣わせた。
世界は邪神の一部であったし、魔族や魔物も邪神の一部であったのだ。
世界ひとつを管理する神、邪神のもつ魂は莫大だ。
なるほど、それだけの量の魂があれば体外に出して意のままに操ることもできるだろう。
魂そのものを己から切り離し、しかし依然として己の一部としたまま操作する。
それが神気の正体だ。
だとするなら竜とは一体、どのような存在なのかという疑問にも答えが用意できる。
神に挑むためには、魔族という神の支配を受ける存在であることを辞めて、竜という固有の魂をもった存在となるしかない。
竜とは創造神から親離れした、新たな神となる手前の状態なのだ。
さてでは現在の世界はどういう状態にあるのかと言えば、混沌としている、といったところか。
6大神の神気が邪神の瘴気を概ね洗い流したが、しかし完全にそれを遂行するには6大神の魂の量は少なかった。
邪神の分割封印と3体の竜を封印するために力を割いていることも影響しているかもしれない。
とはいえ邪神と侵略神とは格が違う、と竜が言っていたのはこのことだろう。
魂の量の差は歴然としている。
しかしそんな6大神ですら、俺の魂の保有量とは桁違いであるはずだ。
レッドドラゴンと6大神が互角だったというのなら、俺もその域に達するために大量の魂を獲得しなければならない。
キメラ狩りでは何年もかかる量になるだろう。
今なら神としての格を上げるために輪廻の環に手を付けた裏切りの神ヴィータボロスの気持ちも分かろうというものだ。
……やっぱり魂を集めるために、工夫が必要だなあ。
この階層でできることは限られている。
しかしその中で、ひとつ試してみたいことを思いついた。




