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92.拘束してばっかじゃないか俺!?

「ありがとう。色々と疑問だったことが知れて良かったよ」


「おう。それはいいんだが、……戦っていかないのか?」


「戦わないさ。まだ俺は竜鱗の完全防御を貫く手段を持っていないからな。それじゃ上で修行してくるよ」


「ツマンネー奴」


レッドドラゴンの竜鱗は完全防御、つまり物理・魔術を含めて魂への攻撃まで防ぐ無敵スキルだ。

このスキルの強度を上回る術などで攻撃しなければ、竜には傷を負わせることすらできないのだ。


というわけで俺はキメラ狩りに戻るのであった。



解析を行わせていた【並列思考-2】が、キメラの中に精神耐性系のスキルを見つけた。

大抵、狩りの初手では〈スリープクラウド〉を撃ち込むのだが、全ての頭部が眠ることは稀だ。

中でも耐性を持っていると思しき奴は厄介で、倒すのに苦労させられてきた。


〈スリープ〉に耐性があるということは、無力化できないわけで、即ちスキルを奪うこともできないわけだ。

しかし〈グルー・リキッド/速乾〉を参考にして創造した〈セメント・ジェイル〉という地属性の拘束魔術がそれを解決してくれた。


精神が駄目なら物理的に動きを止めればいい。

もちろん速乾オプションつきである。


地属性の形質を入手できたから取得が可能になった魔術だ。

俺の拘束能力が高まったため、よりスキルを奪いやすくなったわけだ。


現在所持している【泰然自若】は魔術に対する抵抗力を高めるスキルだが、長い寿命をもつ森人族のような精神的に老成したことにより取得できるスキルでもある。

魔術に対する抵抗力としては曖昧かつ半端で、やや信頼性に欠ける。


特にこの先に倒さなければならない強敵を相手にするには、物足りない。

なので純粋に精神魔術の抵抗力を上昇させるスキルに統合しようと思う。


キメラから奪った【精神耐性】に【泰然自若】を合成し、新たに【精神異常無効】というスキルを生成した。

耐性から無効にするにあたって、魂を消費することにはなったが、これで俺は精神魔術の一切に抵抗することができるようになった。


レッドドラゴン・ランドルフはさすが神と戦うことができるだけあって、搦め手もあった。

威圧や咆哮などで相手を恐慌状態に陥らせるという典型的なスキルだが、それを使うのが竜だとするならば生半可な耐性では防ぐことは難しいだろう。


どのくらいの耐性が必要か分からなければ、無効化するまで。


こうしてひとつひとつ竜の攻撃手段への対策を身に着け、竜への攻撃手段を模索していく。


さて〈スリープ・クラウド〉で思い出したが、これは催眠効果のあるガスを相手にばらまくという魔術なわけだが、厳密には毒属性であるという話をしたことがあったと思う。

正確には毒属性と精神属性の複合属性なのだが。


キメラは巨体で生命力が高く、毒が効きづらい。

なので俺は〈スリープ・クラウド〉ではなく〈スリープ・フィールド〉という新たな魔術を創造した。


〈スリープ・フィールド〉は催眠効果のある精神魔術を一定範囲に拡大し、相手を眠らせるという魔術だ。

〈スリープ・クラウド〉と違って毒属性ではなく純粋な精神属性であるため、巨体のキメラにはこちらの方が良く決まる。


更に種族を改竄したおかげで魔術適性が上がったため、今まで使えなかった〈ブラインドネス〉を取得することにした。

これは相手を完全な暗闇で盲目にするという魔術で、抵抗されなければ完全に視覚を奪うことができる。


かくして俺は、命がけで攻撃を回避しながら戦い倒してきたキメラを、隠れた状態から行動不能な状態に叩き込みそのままハメ殺すという作業にまで落とし込むことに成功した。


魂と素材の乱獲の始まりである。


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