9.これチートってやつじゃない?
狩りの結果は野犬が3匹と鹿が1頭、兎が2羽だった。
もちろんすべて魔物であり、特に鹿は恐るべき戦闘力を誇っていたが、ジャンとギュスターヴがいたためなんとか狩ることができた。
俺とジュゼットはあまり戦力にならなかったが、初めての狩りだから仕方がないことだろう。
狩りがどのようなものか分かっただけでも勉強になったし、今後、必要になる強さの指針も得られた。
「わ、凄い。もう3レベルになってる!」
「……本当か? 一度の狩りで3レベルになるとは早いな」
ギュスターヴが不審げだったが、実際にジュゼットのステータスを見て納得した。
……ゴーストを狩った分、レベルアップが早まったのか。
狩りの間、見かけたゴーストを片っ端から狩っていたから、今日の狩りの成果に倍したほどの魂を獲得していた。
……とすると、俺がまったくレベルアップしていないのはマズいな。
慌てて邪神の加護を起動し、自分のレベルアップを行おうとして、
……魂の項目から新しい枝が伸びている?
【魂獲得量増加】の文字を見て、俺はレベルアップしようとしていた手を止めた。
どのくらいの増加量かは分からないが、スキルに魂を必要とする俺には必須ともいえるスキルだった。
「イズキのレベルはどう?」
ジュゼットがこちらに水を向けてきたので、ステータスを見せる。
「ああ、こっちはレベル2になったよ」
「あれえ? なにイズキ、サボってたの?」
不審げな眼差しに苦笑しか返すことができなかった。
ステータスには【魂獲得量増加Lv2】が増えていた。