表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/135

85.各個撃破するしかないわな

広々とした階層だった。

まだ全て回りきったわけではないが、何時間か隠密行動しながら魔物の観察をしても階層の全容が知れない。


魔物については分かった。

この階層には今の所、キメラしかいない。


ただし厄介なことに、キメラがどんな魔物で構成されているかの法則性はなかった。


首の数は最低でも2つ、多ければ5つもある。

レベルはだいたい70前後だ。


つまり最初に戦った個体と同等の強さのキメラが徘徊しているということになる。


戦い方は決まった。

回避しながら行動を阻害しつつ、無銘の霊刀を使って〈魂砕き〉で削り切る。


というわけで【軽業】と【高速機動】のスキルレベルを5に上昇して、各個撃破開始だ。


魂、稼ぐぞ!



首の数が少なく、周囲に他のキメラがいないことを条件にして奇襲していった。


首によっては〈スリープ〉が効かない奴がいたり、身体の方がやたら俊敏で苦戦させられた奴がいたりと、毎回毎回、死と隣り合わせの真剣勝負だ。


背中の傷はとっくに癒え、魔力は満タンだが空腹はどうにもならない。

【黒狼化】して新鮮な死体を食べた。

もちろん風の支配者で匂いは遮断しているから、他のキメラが寄ってくることはない。


注意点は、俺がその場を離れるとゾロゾロとキメラが集まってくるので、食後は全力で離脱しなければならないくらいか。


そんな感じでキメラ狩りを続けた。

あれから何時間くらいかかったのか、一日以上かかったのか、時間の感覚がないので分からないが、かなりの数を倒して魂を回収できた。


そうそう、狩りの途中で上に登る階段を見つけた。

しかし風神によって階段手前に強力な障壁が張られており、俺はこの階層より上に行くことはできなかった。


装備を整えに街に戻りたいのだが、どうやらそれを許してはくれないようだ。


キメラの素材はさすがレベル70もあるだけあって、かなり高品質な牙や皮などが手に入る。

持ち帰ることが出来れば武器や防具を整えられるので、一応〈ストレージ〉に仕舞っておいたのだが。


……この階層で魂を貯めて、竜を殺せってことだよなあ。


無理がある。

どう考えてもレッドドラゴン・ランドルフに勝てる未来が想像できない。


そもそも〈魂砕き〉が効かないのは痛かった。

神というわけではないだろうから〈断神剣〉も効かないだろうし。


俺は【姿勢制御】のスキルレベルを5にして、俺自身のレベルを35に上昇させた。

それだけで稼いだ魂が随分と目減りする。

レベルアップに必要な魂量は馬鹿にならない。


ともかくこのまま回避戦術でキメラを狩ろう。

竜への対策は、この階層のキメラを全て狩り尽くしてからゆっくり練ればいい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ