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スキルツリーをぶっ壊すチートな邪神の御子さまは、いずれ最強になられるお方です。  作者: イ尹口欠
少年時代は自由にやるんでお構いなく

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81.やっぱ理不尽じゃねーか!

洞窟を戻って、一晩の野営をした後に村へ帰還した。


魔物との遭遇戦は行きと同様だ。

ナナミが【風の恩寵】を取得した分だけ、風属性の魔術や弓術の威力が上がったようだが、劇的な変化ではない。


ただこの護衛の往復で、レベルの低かったタマとタマ2号のレベルアップが進んだのは良かった。


俺のレベルは相変わらず30のままだが、クーラは戦争で34に上がり、タマは16、タマ2号は17になっていた。

タマはレベル5からわずかな期間でレベル16まで一気に伸ばしたことになる。

俺がそのレベルまで上げるのにかけた年数を考えると、割と無茶なパワーレベリングをしたな、と思う。


村では村長がナナミのステータスを確認し、ナナミを正式な後継者として認めた。


宴の準備がされており、今晩は村総出でお祝いになるそうだ。

俺たちもご馳走にありつける。


さて風神エアバーンとの会話については、クーラとタマには何も伝えていなかった。

俺に下る沙汰というものが、どのようなものか分からないからだ。


……最悪は殺されるだろうな。


6大神が魔族を殺すという結論を出すのはそうおかしな話ではない。

その話にクーラとタマを巻き込むわけにはいかない。


ふたりが加わったところで、神に抗うには力不足だ。

俺が殺されるという話になったら、ふたりは何をするか分からない。

不確定要素は関わらせない方がいい。


そもそも裏切りの神ヴィータボロスについても話していないのだ。

この神話にもいない7柱目の神を殺すという目的だって、邪神の期待に過ぎない。

絶対の目標ではないから、実力が伴わなければ挑むつもりもない。


出来る限り強くなる、という方針はヒュドラのときに誓ったが。

その行き着いた先に、神殺しにまで届く手があるのかまだ見えていない。


……見込みがあるのは〈断神剣〉くらいか。


「沙汰を言い渡しに来たぞ」


宴から離れて考え込んでいた俺の前に、1羽の烏が降り立った。

【魂視】で視れば低レベルの魔物だと分かる。

ただし【霊視】で視れば神気を纏っているから、レベル通りの強さではないかもしれない。


「他の神々と相談してきたのか?」


「そうだ。僕がひとりで勝手に決めると、後から文句を言う奴が出るかもしれないからな」


「お前らの関係性がイマイチ分からない。そもそもなんで邪神の治めるこの世界を侵略しに来たんだ?」


「そんなのお前に関係ないだろ。神ならぬ身で僕らの事情に首を突っ込むなよな」


「……そうかい」


「それでお前の処遇だけど、……本当にヴィータボロスを殺すことができるのか懐疑的ってのが全員一致の見解だ」


「俺の将来性を考慮はしてくれないのか?」


「まあ聞けよ。確かにお前は魔族として生まれたてで、成長の余地はある。まあそれでも、どれだけ成長したところでヴィータボロスを殺せるとは思えないけど」


烏だから表情が読めない。

話がし辛いのはともかく、どうにも6大神は俺が裏切りの神を殺せるとはまったく信じられないらしい。


「まあそれでもこの地上で唯一、見込みがあるとするなら確かにお前しかいないのも事実だ。そこで俺たちはお前に試練を課すことにした」


「試練ねえ」


随分と上から目線だな。

さすがは神様だ。

ヴィータボロスを殺せたら、次はこいつらを殺すのも悪くないかもしれない。


「お前が迷宮都市を目指しているのは、昨日の眷属の記憶を見て知っている。そこでだ、お前をこれから迷宮に飛ばすことにした」


「へえ、旅の手間を省いてくれるってわけか」


「そうだ。ありがたく思え。最下層にいる竜を殺すことが出来たら、俺たちはお前を裏切り者を殺す刺客として認めてやる」


「竜? ダンジョンの最下層にはドラゴンがいるのか」


竜とは神話に登場する最強の生物だ。

邪神とともに3匹の竜が6大神に抗った、と神話には記されている。

もちろん捏造神話のことだから、真相かどうかは分からないが。


「竜を殺すことができたら、ヴィータボロスに刃を届かせるくらいはできるかもしれないからな。ありがたく思えよ」


どこに感謝の余地があったのかは分からないが、ともかくすぐに殺されるという話ではないようで幸いだ。


「なあ、ついでに俺の仲間も迷宮都市に連れて行ってくれないか。一緒に行く予定なんだ」


「はあ? お前の連れって狐人族の男と猫人族の女だろ? あんなの数に入るわけないじゃん。どれだけ鍛えても……ああ、お前が使うならそうでもないのかな? ううん、そこまでは打ち合わせにないなあ」


確かに〈断神剣〉がなければ神に傷をつけることもできない。

しかしここで俺がひとりで迷宮都市に行ってしまうのも落ち着かない。

なにより向こうに着いたらどうせダンジョンに潜るのだ。

ひとりより3人の方が探索は捗るだろう。


向こうに着いたら風神との一件について話をしないとな。


「あー。やっぱ駄目だ、お前ひとりで行ってこいよ」


「駄目か? ダンジョン探索をひとりでやれってのは、神殺しとは趣が違うだろ」


「別に探索なんてしなくてもいいよ。僕たちがお前に要求しているのは、竜殺しなんだから」


「……どういう意味だ?」


何か、話が食い違っている?

嫌な予感がする。

俺の想像している話と違う、理不尽な何かが……


「お前は今から最下層の竜のところに直接、行くんだ。探索なんて必要ないだろ?」


その言葉で風神エアバーンの話は終わったらしい。

俺は急に気が遠くなって、――意識を失った。


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