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65.クーラの近接ビルドの謎が解けた

都市国家ランドモッタに辿り着いた。

俺たちは護衛代金を受け取り、宿を取ってさっそく武器屋めぐりをすることにした。


クーラは剣を新調したいらしいし、タマも短剣を見たいと言っている。

俺はもちろん、名刀探しだ。


「そういえばクーラはなんで剣なんて使っているんだ? 短剣と格闘と、あとひとつは自由だったんだろ? 杖とかは選ばなかったのか?」


狐人族であるクーラは、どちらかと言えば武器戦闘よりも魔術による戦闘の方が得意なはずだ。


「うん、それは当時も悩んだんだけどね。適性のある属性が火属性と光属性だから、基本攻撃魔術が〈マナ・ボルト〉か〈ファイア・ボルト〉の二択しかないんだよ」


「あーなるほど。火属性は森とかだと使いづらいしな」


「〈マナ・ボルト〉は汎用性は高い反面、威力はたかが知れているしね」


〈マナ・ボルト〉は魔力を短い矢として撃つのだが、貫通力は低くどちらかといえば打撃になる。

魔物の硬い外皮に効果的なダメージを与えられないことも多いので、主力にしようと思うと厳しい。


「それに傭兵を装って人類の領域を巡るとなると、ひとりの方が都合がいいよね? 杖で専属魔術師みたいになると前衛が欲しくなるし、前衛も連れずに魔術師ひとりで旅をするのも普通のことじゃないよね?」


「なるほど、それで杖を選ばなかったのか……」


しかし狐人族の真価は魔術にある。

それを活かせないのはもったいない。


「クーラ、俺が持て余し気味の魔術をいくらか渡そうか? 火属性以外が使えれば戦術に幅も出るし」


「いいのかい? 僕としては願ってもないことだけど、……イズキはあまり人にスキルや魔術を与えるのを好んでいないように見えるのは気の所為かな?」


「いや、際限なくスキルや魔術を他人に渡す気はないよ。あくまで俺の自己強化が最優先。ただ現状、持て余している魔術が多いのは事実だし、手放したところでまた手に入る機会がこれからもあるだろうからいいかなって」


「そうかい。イズキがいいなら、ありがたく受け取るよ」


街をひと回りして分かったのは、鍛冶工房は多いが武器屋は少ないということだった。

武器屋という形で集約されていないため、個々の工房をひとつひとつ巡らなければならない。

時間があるときならば楽しめただろうが、目的のものが決まっているのに幾つもはしごするのは面倒だった。


そこで通行人に聞きました。

この街で一番腕のいい鍛冶師のいる工房はどれだ、と。


何人かに聞いたところによると口を揃えてユゴッグという鍛冶師の名が上がった。

当然、山人族だ。


というわけで俺たちはユゴッグの工房を訪ねることにした。


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