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64.なんかフラグが立ってる気がする

「ようクーラ! 久しぶりだな」


「やあガズドム。何年ぶりかな。商隊護衛のリーダーとは出世したじゃないか」


「あちこちをフラフラしているお前と違って、俺はここを拠点に地道にやってるからな!」


傭兵としてクーラは顔が広い。

というか、人類の国々を巡って見聞きした情報を持ち帰るのが仕事なわけだから、必然的に顔見知りが増えるようだ。


「……で、そっちのふたりがお前の相棒ってわけだ。頑なに誰とも組まなかったのに、女子供連れとはな」


「見た目で判断しないでもらえるかな。これでもふたりは強いよ」


「ああ。ゴランがステータスを確認した話は聞いている。侮ったりはしない。……俺はガズドム。よろしくなイズキ、タマ」


「よろしくお願いします」


「お願いしま~す」


商隊は街を出てから国境の関所を越えて、都市国家ランドモッタに向かう。

ランドモッタの国土はほとんど鉱山と言っていいほど山がちで、そのため都市機能が一箇所にまとめられている。

そしてその都市部には山人族の鍛冶工房が立ち並ぶというから、まさに鍛冶をするために作られた国なのだろう。


その偏った産業構造から、行きの荷馬車には食料や薪が積まれている。

帰りは鉄製品で一杯になって戻ってくるのだろう。


ちなみに馬車、と言ってはいるが引いているのは魔物で、ときどき馬ではなく巨大な犬だったり牛だったりバリエーション豊かだ。

今回は馬型の魔物だが、やはり騎乗するにも荷を引かせるにも馬型が一番いいらしい。


護衛対象の馬車は3台。

護衛する傭兵の数は12名。


俺たちは3台目の馬車の護衛に配置された。

どうやら俺の斥候スキルを高く買ってくれたらしく、殿をまかされたというわけだ。


「街道は魔物が少ないから楽だね~……」


「そうだな。それにしてはキッチリ人数揃えているけど」


人類の領域の街道は兵士による魔物駆除のお陰でかなり安全だ。

少なくとも魔物とは滅多に遭遇しない印象しかない。


「でも出るときには出るし、相手が魔物ばかりとも限らないからね」


「相手が人ってこともあるか」


「とはいえこの辺りは商隊の通りが多いから、その心配はないだろうね。どちらかといえば傭兵に仕事をつくって街の防衛戦力にしているんじゃないかな」


常備軍を置くのはコストがかかる。

そこを傭兵でまかなおうってことか。

すると街道の魔物駆除も傭兵に任せているのかもしれない。


「しかし鉄製品を輸入して、輸出するのは食料や薪ばかりじゃ赤字だよな」


「うーん。僕はその辺は詳しくないけど、ランドモッタ製の武器を更に他の街に売りに行けば黒字になるんじゃないのかな」


「ああそうか、別にあの街だけで売る必要はないか」


しかしランドモッタという国は偏っている。

食料を他国に依存しているようだが、それって危険なんじゃないのか?


現にランドモッタと隣接している2国は戦争のために食料が値上がりしているという話だったし。


戦争の余波に巻き込まれないよう、早めにこの周辺国を通り抜けるべきだろう。


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