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スキルツリーをぶっ壊すチートな邪神の御子さまは、いずれ最強になられるお方です。  作者: イ尹口欠
少年時代は自由にやるんでお構いなく

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58.〈スリープ〉無双は楽でいいな

幾度かのアンデッドとの遭遇戦を経て、俺たちの不審感は募るばかりだった。


まず明らかに山に生息していないだろう魔物のゾンビが出現したこと。

ゴースト系は見られず、ゾンビばかりに偏っていること。

そもそもアンデッド以外の魔物が極端に少ないこと。


とにかくこの山はおかしいというのは、3人の間で意見の一致を見た。


さてそうなると原因を探りたくなる。

幸い俺には【霊感】と【霊視】があるため、手がかりらしきものを見つけられた。


不浄なる気配、とでも呼ぶべき何か巨大な存在が、山の奥深くに存在していたのだ。

それが何かまでは分からないが、原因がその不浄なる気配にあるのは間違いないということは【直感】的に確信している。


というわけで俺たちは不浄なる気配を目指して進むことにした。


丸一日かけて気配の付近に辿り着き、俺たちが目にしたものは、丸太小屋だった。

不浄なる気配は、ちょうど小屋の地中にある。


「さて……どうしようか?」


「何者かが人為的にアンデッドを量産していた、ということかな」


クーラの意見が正しいように思えるが、聞きたいのはそういうことじゃない。


「それはそうなんだろうけど。そうじゃなくて、どうやって小屋に潜入しようかって話」


「ああ、そうだね。もう突入する気でいるんだね」


「そりゃ原因があの小屋の地下にあるんだからな。ひと目くらい拝んでおきたいじゃないか」


既に腐臭で鼻がバカになった3人である。

正直、小屋に誰かいるのかどうか分からない。


窓はあるが鎧戸が閉まっていて中の様子は分からない。


念の為に小屋の周囲をぐるりと一周してみて分かったが、出入りしているらしき道は一本限りで、割と頻繁に歩いた形跡があり、小屋に誰かいる可能性は十分にあった。


【隠密】【忍び足】で近づき、【聞き耳】で中の音を拾う。

人の会話が聞こえる、やはり複数いるようだ。

ただ会話の内容までは聞き取れなかった。


相談の結果、アンデッドを野に放つという明らかに危険な行為に及ぶ輩を相手にするわけだから、遠慮無用と相成った。


というわけで強行突入である。


扉を蹴破る役目は年長者のクーラに任せ、俺とクーラで突入し、タマとタマ2号は外で警戒に当たってもらうことにした。


「ゴー!」


俺の掛け声とともにクーラが扉を蹴破る。

中に明かりがあることを視認し、同時に何人かが立ち上がる気配を感じ取る。


俺は一番近い奴に狙いを定めて〈スリープ〉を放った。

手応えあり。


クーラも突入して未だ混乱の極みにある連中のひとりに殴りかかる。

できれば殺さずに制圧、無理そうだと判断したら殺してオッケーというユルい目標設定である。


ざっと【魂視】で見渡すと、レベル30以上の猛者が複数いる。

中には40超えもいた。


……そりゃ、この付近の山の魔物はレベル高いからなあ。


この小屋に出入りしている時点で、魔物は問題ない強さはあるということだ。


「クーラ、殺していいぞ!」


無理して怪我でもされたら面倒だ。


とはいえ俺は〈スリープ〉を使いながら、敵の無力化を図る。

相手は人類と魔族、つまり生かして制圧すればスキルや魔術を奪うチャンスなのだ。


レベルカンストした【睡眠適性】のおかげか、面白いように〈スリープ〉で敵が崩れ落ちていく。


そして濃密な戦闘の後、敵は沈黙した。


時間にすれば1分程度だろうか。

俺とクーラにレベルでは負けていない相手が8人、予想以上に厳しい状況だったが、奇襲だったことと〈スリープ〉が失敗しなかったことでなんとか勝利することができた。


「よし、クーラ。念の為に生きている奴には〈スリープ〉をかけ直していくから。動き出す奴とかいないか警戒していてくれ」


「分かった。手強かったと思うけど、敵が崩れ落ちていったのはイズキの〈スリープ〉だったのか。なければ危なかったかな」


「だな。少なくとも生かして制圧は難しかった」


クーラが殺したひとりを除いて、7人を念入りに眠らせる。


内訳は驚きの魔族がひとり、人間族が5人、森人族がひとり、鳥人族がひとりだ。

人間族がひとり死んだが、魔族は豚人族という人類の領域には珍しい種族である。


ほんと何をしていたんだコイツら。


「そういえば、原因の気配は地下だったな。入り口はどこだ?」


「ああ、そうだったね。ええと、そこにある床板のところを持ち上げたら下に降りられるのかな」


確かに床に四角い戸のようなものがある。

それ以外に小屋には不審な点はない。

家具も少ないし、間違いなく気配にたどり着くためにはこの戸を開ける必要があるのだろう。


「じゃそこも見張っておいて。まだいるかもしれないし」


先にスキルと魔術を奪って尋問もしておきたい。

誰かが床下から出てくるなら、そいつは〈スリープ〉の餌食になってもらうだけだ。


さてスキルと魔術を奪おう、としたところで突如、死んだひとりが急に立ち上がった。

まさか死人がいきなり動くとは想定外だったクーラは、突然襲いかかってきたゾンビに咄嗟に剣で応戦する。


――その『歪み』、斬るべし。


言われるまでもない。

だが身体は勝手に無銘の霊刀を抜き、クーラ越しにゾンビを一太刀で消滅させた。


……俺だったらクーラが邪魔で斬るのを躊躇したかもしれないな。


身体の自由が戻ったことを確認して、霊刀を仕舞う。


「あ、ありがとうイズキ。それにしても今、僕の身体ごと斬らなかった?」


「アンデッド以外は斬れないから安心しろ」


「そういえば、そんなことを言っていたね。……それにしても、いくらなんでもアンデッド化するのが早すぎる。こんなの初めて見たよ」


そうだな、おかしいよな。

ヒュドラとの戦いで父たちがすぐにアンデッド化した光景が脳裏に蘇る。


この地下にある不浄なる気配が、何か関係しているのだろうか。


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