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50.夜魔族マジえげつねえ

俺はクーラの部屋に来た。


「クーラ。片親が夜魔族だと、どんな変化があるのか、知っていることを教えてくれ」


「まずはおはよう、イズキ。急にどうしたの」


「良いから早く。できれば手短に。とりあえず【魅了】スキルとか色々とあるんだろ? 俺もそういう年頃に達したんだよ今まさに」


「へえ。おめでとう……って感じじゃないね。タマと何かあった?」


「キスされてからかわれただけだ。でも多分、それが引き金だったんだろうな。取得できるスキルに変化があった」


「キスだけ? 娼館から連れ出したんだし、てっきり昨晩は金貨を山積みにした人間族の代わりに初めての夜を――」


「冗談に付き合ってやれる気分じゃないんだ。情報をくれ」


「わ、悪かったよ」


俺が睨めつけると、クーラは慌てて言った。


「まず片親が夜魔族で、夜魔族以外に生まれた魔族の特徴だね。魔力の増加と美形に生まれるってことは知っているよね? それ以外は適齢期……つまり子供がつくれる年齢に達した場合に起こる変化については、個人差はあるけど傾向は分かっている」


「個人差があるのか?」


「ほんの少しだけどね。えーと、つまり……イズキ。子供の作り方って知ってる?」


「知っている。説明を続けていいぞ」


「う、うん。つまりそれをすることによって、活力を得ることができる」


「【精気吸収】スキルか?」


「ああ、それだね」


「使わないと衰弱して死ぬみたいなデメリットはあるか?」


「え、ないない。そもそも【精気吸収】は発現しない場合もあるから。これが個人差だね」


良かった。

童貞死はないらしい。


「あと大抵は【魅了】が発現するよ。これもレベルは個人差があるね。こんなところだけど」


「それだけか?」


「……それ以外にもありそうなの?」


明らかに【魅了】と【精気吸収】だけに収まらない変化だ。

聞いておいた方がいいだろう。


「クーラ。多分だが俺は夜魔族のスキルを取得できる。【夢魔】や【睡眠適性】がそうじゃないか?」


「【夢魔】を習得できるの!? それ夜魔族の種族スキルだよ」


「ちなみにどんな効果だ?」


「思い浮かべた異性の夢の中に入るスキルだね。入った後はご想像の通り。【精気吸収】スキルも発動する。……で、厄介なのは夢に入られた方は何も覚えていないってことかな」


「やりたい放題じゃないか。それマズくないのか?」


「夜魔族はそういう意味で怖いよ。ちなみに聞いた話だけど、【夢魔】で相性のいい異性を探して、結婚相手を見つけるとか聞いたことがあるね」


身体の相性が優先なのか……。

さすがエロ魔族だ。

ウチの両親はどうだったのだろうかと疑問が湧いたが、身内のそういう話は知らない方がいいと思い直す。


「眠っていない相手に【夢魔】は使えるのか?」


「それは無理だと聞いたことがあるね」


「あと【精気吸収】って何を吸収するんだ? 吸収しすぎて相手が死ぬようなことは?」


「魔力を吸うんだよ。だから起きた後に魔力が回復しきってないときは、夜魔族を疑えってね……」


魔力だけなら死ぬことはなさそうだ。


「あとクーラ。【睡眠適性】ってどんなスキルだ? 字面から分かりそうで分からん」


「ああそれ。なんかほとんど眠らなくても良くなるみたい。【夢魔】を使うってことは夜中、起きているわけでしょ? 徹夜が続いても平気になるんだよ。あと〈スリープ〉をかけやすくなる効果もあるんだったかな」


マジで!?


実は魔術適性が低い俺は、〈スリープ〉の取得を見送っていたのだ。

格上相手には確実に抵抗されるうえ、同格や格下にも失敗しかねない。

不確実すぎて使いづらいため、母にも習得はやめた方がいいと言われていたくらいだ。


しかも徹夜しても疲れなくなるのも嬉しい。


よし、久々に自分のスキル取得だ。


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