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47.さっそく召喚獣にレベルが抜かれた本体

「じゃあタマ、タマ2号を死なせないように、頑張って育てるんだよ」


「え、タマ2号って死ぬの!?」


「そうだよ。召喚獣って、死んだら新しいのが呼び出せるようになるわけでもないし、召喚したての召喚獣はレベル1で弱いし、……だから混沌属性って不遇だと言われているんだ」


「クーラはやけに詳しいな。俺はそこまで詳しくは知らなかったぞ」


魂が視える以上、死んだらそれまでだというのは分かるが。

必ずレベル1で呼ばれるなんて、救済する気あるのか邪神。


「ええ、どうしよう。タマもレベル5しかないよ?」


そう、タマは生まれも育ちも人類の街というか娼館で、娼婦になるために育てられてきた。

当然、戦闘訓練など受けていないし、戦闘経験自体ないだろう。


クーラが「お荷物が増えただけだったね。どうするつもりなんだい」と冷え冷えとした視線をくれる。


「現状のタマ2号の能力だと、手の平に乗るサイズの小石でできた人形になれるらしいぞ」


「なにそれ弱そう!!」


【魂視】で視た限りでは、レベルアップによって大きくなっていくらしい。

スキルなどの習得もレベル依存なのだろう。


「……まあ確かに、このままじゃ戦力にはならないな。まあレベルを上げれば少しはマシになるだろ」


俺はゴーレム・コアのタマ2号に手を当て、【魂触】でレベルアップさせる。


……とりあえず10くらいあればいいか?


魂の消費もレベル10までなら、大した量ではない。


「あ、レベルが10になった! イズキくん、何したの!?」


「ええ? ……ほんとだ、レベルが上がってる。イズキ、君はレベルまで上げられるのか」


表示しっぱなしだったタマ2号のステータスを見てふたりが驚く。

うん、まあそうなんだ。


「材質は土か石、大きさは大人の腰くらいだな」


俺より小柄だが、武器を持たせられるようになったのは大きい。

それにしても、レベルを上げたにも関わらずコアの大きさが変わらないというのもグッドだ。

ボディが壊れてもコアが無事なら死なないし、よほどの不運に見舞われない限り傷ひとつ受けないはずだ。


「持たせるならナイフかな。力の強さ次第じゃ別の選択肢もありそうだけど、あまり器用じゃなさそうだ」


魂にある能力値でいけば、筋力が高く、器用と敏捷は低い。

感知はほどほどだが、ゴーレムの視界は魔法によるものだから数字では測れないものがある。


精神ツリーに至っては第六感が欠落しているものの、理性と感情があるのには驚きだ。


……ゴーレムに感情があったとはな。


理性と記憶の高さを考えるに、コア自体はコンピュータのような性質をもっているかもしれない。

将来性バツグン、期待の新人だ。


「で、結局タマはどうやって戦えばいいの?」


「当面はタマ2号の応援かなあ」


そう、結局のところタマ本人が戦えるようになったわけではないのだ。


「とりあえずタマの旅支度とかいろいろ買い物しないとだな。この街からは早めに出ようぜ」


「いいけど、イズキ。金貨の運び方はどうするんだい。いま街を出ようとするなら、荷物検査は避けられないと思うよ」


「タマに【完全獣化】して塀を越えてもらうよ。もともとこの街には俺とクーラしか入っていない。出るときにひとり増えてたんじゃ、マズイだろ」


「まあ、そうなるか……」


ひとまず金貨は革袋に詰めて運ぶしかない。

とにかくこの街からは早めに出ることを優先するべきだ。


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