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スキルツリーをぶっ壊すチートな邪神の御子さまは、いずれ最強になられるお方です。  作者: イ尹口欠
少年時代は自由にやるんでお構いなく

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37.お前の未習得魔術はお前で覚えろよ

「クーラ、ちょっと大人しくしていてくれ」


「いいけど……急にどうしたんだい」


俺はクーラのもつ火属性と光属性の魔術をもらうことにした。

とはいえ奪うわけにはいかないから、俺のツリーに移動した後に魂を消費して取得しなおす必要があるのだが。


今の俺の魂保有量は、1年の放浪生活でかなりの貯蓄ができており、そもそもヒュドラ戦のときの余りと相まってかなり余裕がある。

だが新しいスキル発現の兆候もなく、持て余していた。


……とはいえ、あまり多くの魔術を抱えても使いこなせないんだよなあ。


戦闘中に頻繁に使う魔術は決まりきっている。

できることを増やすのは有益ではあるのだが、使う機会が滅多になさそうな魔術まで抱える気にはならない。

そもそもクーラにできることはクーラに任せてしまえばいいのだから、欲しい魔術だけを取得することにする。


火属性からは基本魔術である〈ファイア〉、下級攻撃魔術である〈ファイア・ボルト〉、中級攻撃魔術の〈ファイア・ジャベリン〉、同じく中級攻撃魔術の〈ファイア・ストーム〉をもらう。

攻撃魔術に偏っているが、そもそも火属性とはそういう属性である。


光属性からは基本魔術である〈ライト〉、治癒魔術の〈ヒーリング・ライト〉と解毒魔術の〈キュア・ポイズン〉、目眩ましの〈フラッシュ〉、幻覚を見せる〈イリュージョン〉をもらう。

〈ヒーリング・ウォーター〉と〈ヒーリング・ライト〉の効果が被っているが、まあ一応ということで。


そして俺のツリーに移して未習得状態となったクーラの魔術を、取得しなおす。

数が数だけに割と馬鹿にならない魂を消費したが、それでもまだまだ余裕がある。


……うーん、こいつ未習得の魔術もあるな。


火属性の中級付与魔術〈ファイア・ウェポン〉と、光属性の上級幻惑魔術〈インビジブル〉、そして光属性の中級防御魔術〈ホーリー・ヴェール〉だ。

〈ホーリー・ヴェール〉はアンデッドの攻撃を軽減するという限定的な効果だが、対アンデッド戦を極めるなら欲しい。


よしこれらも貰うことにしよう。

魂を消費して取得させ、俺のツリーに移す。


なおスキルは取得に必要な魂量は魔術より多いことを経験上知っているので、スキルに関して同じことはしない。


「よし、もういいぞ」


「……何をしたか、教えてはくれないのかい?」


「んー。まあそのうち分かることだからいいか。〈ライト〉」


指先に小さな明かりが灯る。


「へえ。魔術適性の低い人狼族の割には淀みなく発動したね。努力家なんだ」


「ちなみに俺の魔術適性は風属性と闇属性だ」


「んん?」


「この〈ライト〉はクーラからもらったんだよ」


「…………えええっ!!?」


「声が大きいっ」


まあそりゃ驚く気持ちも分かるが。


「俺はこうやって他人の使うことのできる魔術を、同じように使えるようになるスキルをもっている」


「え、ええ。それって凄くないか」


「凄いぞ」


「うわぁ。ってことはイズキは魔術師なのかい」


「いや。剣も使えるし、格闘もたしなんでる」


「つまりオールラウンダーか。僕もそうだけど」


「物腰で分かるぜ」


嘘です【魂視】で視ました。

クーラは【剣】と【短剣】と【格闘】を習得している。

だがやはり魔術適性の高い狐人族らしく、どちらかと言えば魔術の方が得意のようだ。


他にも密偵に必要そうなスキルもいくつか見て取れるので、欲しいところなんだが。


……まあスキルはおいおいでいいか。


殺して奪うのでなければ効率が悪い。

旅の間にでも教えてもらって、自力で習得を目指そう。


「よし、じゃあ今日はこれで」


「うん。おやすみイズキ」


俺はクーラと同じ宿に部屋をとった。

屋根があるところで寝るのは久々である。

ベッドとか超ひさしぶり。

文明に浴しながら、樹形図を少し弄ってから俺は眠りについた。


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