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21.あれこれヤバくね?

「〈マナ・ジャベリン〉!」


精密狙撃に特化した中級攻撃魔術がヒュドラの首の一本に突き刺さる。

かろうじて表皮を抜けたが、傷は浅い。


その傷もすぐに消えてなくなった。


「再生か……早すぎる」


これでは牽制にもならない。


距離を詰めて撃ったところで魔術の威力が上がるわけではない。

魔術そのものを改良する必要がある。


しかし、


「そもそも〈マナ・ジャベリン〉のポテンシャルで足りるのか?」


問題は中級攻撃魔術をどれだけ改造したところで、ヒュドラに大きなダメージを与えられないということだ。


残念ながら俺の勉強は中級魔術教本の途中まで。

上級魔術はそもそも取得できない。


邪神の加護をくまなく見渡している間に、前衛部隊がヒュドラに接近していく。

ろくに援護射撃もできずに、前衛たちを危険な目に合わせるわけにはいかない。


すぐに〈マナ・ジャベリン〉の射撃体勢に入ったが、直感が警鐘を鳴らしてきた。


――なんだ!?


ヒュドラが大きく息を吸う。


咄嗟に邪神の加護から〈エアタイト・シェル〉を取得し、


「〈エアタイト・シェル〉!」


唱えた。


八本の首から漆黒の霧が吹き出され、あっという間に視界が閉ざされた。

ただし俺の周囲の空気だけは清浄な状態のままだ。


〈エアタイト・シェル〉は新鮮な空気で包まれた殻を形成する風属性の魔術で、このような毒霧を防ぐためにある魔術だった。

咄嗟とはいえ、うってつけの魔術を取得できたのは【直感】のお陰だろうか。


……しかしどれだけの範囲を毒霧で覆いやがった!?


視界を覆い尽くしていた黒が、ゆっくりと薄まっていく。

ようやく見えてきた光景に、俺は絶句した。


ヒュドラに切り込んでいった狩人たちは、全員が地に倒れ伏していた。


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