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17.実験の成果は着実に現れております

8歳になった。

ここ半年は主に【魂触】の実験に費やしたと言っても過言ではない。


その甲斐あって、魔術を実戦投入できるようになったのは大きな変化だ。


まず【槍】スキルを記憶に移動して、再度【槍】スキルを習得することに成功した。

この【槍】スキルを、練習によって新たに習得していた【投擲】スキルと組み合わせて、新たに【投槍】スキルを生成。

これを〈マナ・ジャベリン〉という無属性の中級攻撃魔術の下に移動させることで、命中精度を劇的に向上させて実用レベルに引き上げることができたのだ。


〈マナ・ジャベリン〉は〈マナ・ボルト〉の上位魔術で、その性質は撃ち出す魔力の塊が巨大になっただけと言っても過言ではない。

しかし形状が槍状であることに着目して、【投槍】スキルと組み合わせることを思いつき、まんまと実現せしめたのである。


ただし中級魔術だけあって、消費する魔力は多めでかつ咄嗟に撃つだけの力量は今の俺にはまだない。

そこで〈マナ・ジャベリン〉は理性の下に移動し、長射程精密射撃用に特化することにした。


目論見は大当たりし、狩りで大活躍している。


他にも樹形図には幾つか手を加えた。


まず【走力Lv1】を敏捷の下に移動した。

敏捷の直下に置くことで、【走力】のもつポテンシャルを全て速さに割り振ることができる。

動きが直線的になりがちとなったものの、トップスピードは格段に上がった。


また【爪Lv1】を魔力の下に移動した。

爪を振るう際には魔力の光を纏い、切れ味が増すという変化があったのだ。

他にも銀器や魔法のかかった武器でなければ触れることのできないゴースト系の魔物に爪で触れることができるようになったが、ゴースト相手なら霊刀を使うのでこちらの方面での恩恵はない。


魔術を本格的に運用しだしたからか、魔力から【魔力操作】という新たなスキルが生えてきた。

鬼人族のゴーストを斬ったときの魂は使い切っていなかったため、即座にこれを習得。

一気にレベル5に上昇させた。


これが功を奏したのか、〈マナ・ボルト〉と〈ウィンド・カッター〉の命中精度が飛躍的に向上したのだ。


〈ウィンド・カッター〉は風の刃を飛ばす風属性の下級攻撃魔術だ。

風を飛ばすだけで物が切断できるのは、斬撃の特性が付与された魔法だからであるらしい。

魔術は物理法則を無視するものだから、この辺りは常識を捨てなければならない。


これらの下級攻撃魔術は、今まで動かない的に目掛けて撃って半分当たれば上々だったものが、今では動かない的相手なら確実に、動く相手にも十分に武器として使えるまでになった。


他にも習得したものの上手く扱えなかった魔術が軒並み思い通りに使えるようになって、一気に手札が増えたのだ。

魔術の勉強を続けていて良かった。


他には【直感】をレベル3に、【魂触】をレベル2に伸ばした。

どちらもスキルレベルの上昇にかなり大量の魂を要求されるため、なかなか上げづらい。


とはいえ魂の貯蓄にはかなり余裕があるのだが、【獣化】と【人化】は未取得のままだし、いつ有用なスキルが樹形図に現れるかも分からない。


それに魔術方面は一気に伸びたが、物理方面はさほど変化がないのも気がかりだ。

たかだか半年で一気に腕前が上達するものではないから仕方がないが、緊急時に一気に武器スキルのレベルを上げるような事態が起こりえないとも限らない。


ちなみに【魂視Lv5】で他人のスキルを覗けるようになったので、スキルレベルのだいたいの目安が分かったのだが、実は【刀Lv5】は破格だったらしい。

集落で最も強い長のレベルが40で、達人と言われている【剣】スキルのレベルが4だったのである。


……というか、レベル60だったあのゴーストは一体、何者だったんだろうか。


水辺の狩りに変化がないか、それとなくミレーヌに確認しているが、特に変化らしい変化はないそうである。


しかし何か取り返しのつかないことをしてしまった、そんな懸念が頭の片隅にこびりついて離れない。


来るべき異変が危険を伴うものだとしたら、今は強くなることだけを考えて成長に専念するしかないのだろうが……。


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