134.旅立ち
「いよいよ出ていくのだな、イズキ」
「追い出すように急かしたのはお前だろ、ガイアヴルム」
「急かした気はないが……まあそうだな。神となった今、イズキは私の世界から出ていってもらわなければならない。誇らしいよ。後進の育成が上手くいった。……完全放置した方が上手くいくというのも皮肉だが」
ここは魔族の領域にある聖地に相当する場所だ。
元々地上に住んでいたガイアヴルムの住処だったわけだが、警備していた魔族たちは邪神の復活に泡を食って気絶したそうだ。
いま魔族の領域では、六大神が邪神の御子イズキに打倒され、ガイアヴルムが復活したことが知られて大わらわだ。
この機会に人類圏に打って出ようとする強硬派もいれば、チカラをつけてから打って出ようとする慎重派が議論を戦わせているらしい。
……まあどっちでもいいけどな。
「じゃあ行くよガイアヴルム。達者でな」
「ああ待て。この宇宙にはヒトが住むのに適した惑星がいくつかある。それを教えておこう」
「あ、それ助かるわ。この広い宇宙を探して回るのかと旅立つ前からうんざりしていたんだ」
「このくらいのサービスはするさ」
俺はガイアヴルムからヒトが住むに適した惑星の情報を仕入れ、ついでにヴィータボロスが向かった惑星についても情報を得た。