123.今回のリザルト
6大神は全滅した。
俺は3柱から奪った神格を取り込むために樹形図を操作する。
まず太陽神ラーグイユから『太陽』と『勝利』の形質を得た。
剣は神格に届かないため、魂に還元する。
正直、『太陽』は邪魔になるし『勝利』は漠然としていて使い勝手が悪い。
少し考えた後に、『太陽』と『勝利』の形質を組み合わせて反転させることで、『日食』の形質を創り出すことに成功した。
太陽が敗北する、もしくは夜が勝利する、とでも言おうか。
ともかく夜の森を強化するための形質に変化して取り込むことができた。
ひとまず『日食』の形質は次の月神ルナニールの形質とともに扱おう。
月神ルナニールから得たのは『月』と『学術』の形質だ。
『月』と『日食』を【夜の魔王】に取り込ませて闇夜の神格者に進化させる。
単に夜の神格者ではないのは『日食』も取り込ませたからだろう。
ともあれ、これで名実ともに“夜の森を司る神”となったわけだ。
目指していた形に辿り着いたものの、実際には他にも多くの神格があり持て余し気味だ。
さて『学術』の形質はどうしようか?
これは使い勝手が良さそうで、どこにどのような形で取り込んでも有用そうなだけに、悩ましい。
よし一旦、保留にして次に行こう。
海神アモレポーンからは『海』と『恋愛』の形質だ。
恋愛については今まさに俺自身が困っていることではあるのだが、スキルに頼ってするものでもないと思う。
できれば別のことに使いたい。
まずは『海』の形質を森の神格者に与え、樹海の神格者に進化させた。
これで森はより鬱蒼とした密度の高いものとなり、壊されづらくなるはずだ。
さて『学術』と『恋愛』の使い道を決めよう。
ひとつだけ樹形図から浮いている〈風神弓〉も少し整理したい。
これらの形質をすべて〈機兵創造〉で消費し、腹心となる機兵を創造したいと思う。
『学術』による学習能力、『恋愛』による忠誠心、『弓』は主武装だ。
『恋愛』を忠誠心とするのは不安しかないが、他に使い道もないので利用するしかない。
必然的に女性型アンドロイドを創造することになるが、……まあなんとかなるだろう。
というわけで、
「〈機兵創造〉!」
早速、創造する。
長い真っ直ぐな黒髪に切れ長の理知的な黒い瞳、白い肌は赤みを帯びており外見からでは機兵だとは分からない完全な人型だ。
「命名する。セクレタリ、それがお前の名前だ」
「かしこまりましたイズキ様。私は愛の下僕、如何様にもお使いください」
「あ、うん……」
やっぱり『恋愛』を入れたのは間違いだっただろうか。
しかし『恋愛』がなければここまで精巧な人間型にはならなかっただろうし、感情を持つこともなかっただろう。
『学術』が理性で『恋愛』が感情、そして肉体は機兵で魂は俺の神気だ。
『弓』の形質も【闇竜弓】という固有武装となったから、戦いにも着いてこれるはず。
それから特殊な機兵として【統率機】というスキルも持っている。
これは他の機兵を従えて効率的に運用できるということだろう。
おっとセクレタリは【契約】ではなく【属神】なのか。
俺の使えるスキルや術を借り受けて使うことができるらしい。
さすがに神格を3つも注ぎ込んだだけあって便利だなあ。
さてランドルフは……相変わらずレベルアップだけか。
しかしステータスだけなら俺を遥かに凌ぐ強さをもっている。
それでも種々のスキルや神格があるため、実際に戦えば俺の勝ちは揺るがないだろう。
新たにセクレタリという配下も増えたしな。
「よし、邪神の封印を集めるか。5つの衛星神殿をダンジョンに移設して、残る封印の在り処を探ろう。そこに裏切りの神ヴィータボロスがいるはずだ」
「おう。それはいいんだが、結局ヴィータボロスは殺すのか?」
「いや……会ってみないと分からない。話が合わなければ殺し合いになるけど、そうでなければ……どうかな」
6大神は俺とランドルフを世界から追放してくれた報復なので殺すに十分な理由があった。
しかしヴィータボロスに私怨はないし、無銘の霊刀も俺の中になくなったからアンデッドの根本をどうにかしてやる義理もなくなった。
「よし、ともかく封印ごと衛星神殿をダンジョンに移そう」
「イズキ様、よろしければ私が作業を行いましょうか? この程度の作業にイズキ様のお手を煩わせる必要性を感じません。どうか私にお命じ下さい」
「そうか? じゃあよろしく頼む、セクレタリ」
「仰せのままに」
セクレタリは〈機兵創造〉を使い移設に必要な人足を用意すると、メチャクチャになった太陽神の神殿の片付けから始めた。
「有能そうな恋人を創り出したなあ、イズキ」
「恋人じゃなくて秘書だぞ」
「だが『恋愛』の神格を付与したんだろ? まあ神なんだし恋人が3人くらいいても問題ないんだろうが……他のふたりに何にも言わずってのは後々で問題になりそうだなあ」
「ランドルフ、他人事だと思って……。まあ確かにあの様子を見るに、ただの配下というわけにはいかなくなりそうだな」
「まあその辺は青春を楽しめ若造。それより地上が楽しいことになっているぞ、気づいているか?」
「何? どう楽しいことになっているんだ」
「ダンジョンの最下層に封印されていた2竜が人類の国を襲ってる」
「ああ、さすがに封印が弱まりすぎたから自力で破ったか。7柱の侵略神が残り1柱になったことには気づいているだろうしな」
「どうする? 好き勝手にやらせておいてもいいが、お前は困るのか?」
「いや、困らない。……ただ人類の街にも魔族はいるし、迷宮都市にはクーラたちがいる。好き勝手に暴れさせておくのは良くないな」
俺は2竜と話をする場を設けることにした。
魂
├邪神の加護
├魂の改竄者
├闇夜の神格者
├樹海の神格者
│└〈群狼〉
├水の神格者
├風の神格者
├炎の神格者
├迷宮の管理者
├【契約:ランドルフ】
├【属神:セクレタリ】
├【纏気】─【竜気纏衣】
├【魂獲得量増量Lv10】
│└【魂喰いLv5】─〈魂砕き〉
├【魔力喰いLv5】─〈魔力砕き〉
├【威圧Lv5】
└〈マスキング/常時化〉
肉体
├筋力
│└【怪力Lv5】
├器用
│├【投擲Lv6】
││└〈扇投げ〉
│├【鍵開けLv5】
│├【鍛冶Lv5】
│└【作刀Lv5】
├敏捷
│├【縮地】
│├【無音歩行】
│├【軽業Lv5】
│├【姿勢制御Lv5】
│├【高速機動Lv5】
│└【無重力移動Lv5】
├感知
│└【隠密Lv5】
├生命力
│├【高速再生】
│└【毒無効】
├【刀Lv6】
│├〈疾風迅雷〉
│├〈神気一閃〉
│├〈断神剣〉
│└〈破邪の蒼〉
├【格闘Lv6】
│├〈鉄身〉
│├〈鉄拳〉
│├〈呼吸〉
│├〈練気〉
│└〈瞑想〉
├【神爪】
│├〈闇裂き〉
│├〈雷閃〉
│└〈赤竜炎舞〉
├【神牙】
├【完全竜化】
│└【闇の吐息Lv10】
└【人化】
精神
├理性
│└【並列思考Lv5】
│ ├【並列思考-1(警戒)】
│ │├肉体(感知)
│ ││├【聴覚Lv3】
│ ││├【嗅覚Lv3】
│ ││├【夜目Lv3】
│ ││├【聞き耳Lv5】
│ ││├【気配察知Lv5】
│ ││└【神気察知】
│ │└精神(第六感)
│ │ └【霊感Lv3】
│ ├【並列思考-2(解析)】
│ │├肉体(感知)
│ ││└【竜眼】
│ │├精神(理性)
│ ││└【鑑定】
│ │└精神(第六感)
│ │ └【霊視Lv5】─【魂視Lv5】
│ └【並列思考-3(魔術)】
│ ├肉体
│ │└【竜舌】
│ ├肉体(感知)
│ │└【望遠Lv5】
│ ├精神(理性)
│ │├【高速演算Lv5】
│ │├〈オート・ルーター〉
│ │├〈インファナル・ハーヴェスト〉
│ │├〈アブソリュート・ゼロ〉
│ │├〈ヴォルカニック・テンペスト〉
│ │└〈クリエイト・ナイトフォレスト〉
│ ├精神(魔力)
│ └精神(魔術)
├感情
│├【精神異常無効】
│└【月の瞳】
├記憶
│└【建築Lv3】
├第六感
│├【直感Lv5】
││├【未来視】
││└【過去視】
│└【空間座標認識】
├魔力
│├【魔力の極意】
│├【睡眠適性Lv5】
│├【砂の申し子】
│├【氷の申し子】
│├【雷の申し子】
│├【空間跳躍者】
│└【夢魔Lv5】
├錬金術
│├〈抽出〉
│├〈変形〉
│├〈接合〉
│├〈融合〉
│├〈分離〉
│├〈付与〉
│├〈機兵創造〉
│├〈機兵修復〉
│└【レシピ】
│ ├『百我』
│ ├『百我-改』
│ ├『鉤短剣』
│ ├『鉤短剣』+〈付与:〈コールド・アンカー〉〉
│ └『鉤短剣』+〈付与:〈パラライズ・ナーヴ〉〉
└魔術
├〈マナ・ボルト〉
├〈マジック・アロー/3WAY〉
├〈マナ・ジャベリン/長射程化〉─【投槍Lv3】
├〈クリエイト・ポーション〉
├〈クリエイト・アンチドーテ〉
├〈マナ・ヴェール〉
├〈マナ・ハンド〉
├〈マテリアル・プロテクション〉
├〈ブースト・ストライド〉
├〈ブースト・ストレングス〉
├〈ダーク〉
├〈マインド・リンク/相互〉
├〈マナ・ドレイン〉
├〈スリープ〉
├〈スリープ・フィールド〉
├〈ポイズン・スプラッシュ〉
├〈ポイズン・クラウド〉
├〈ペリッシュ〉
├〈ギアス〉
├〈ライト〉
├〈ヒーリング・ライト〉
├〈キュア・ポイズン〉
├〈フラッシュ〉
├〈イリュージョン〉
├〈ホーリー・ヴェール〉
├〈インビジブル〉
├〈セメント・ジェイル/速乾〉
├〈フリーズ・バインド〉
├〈コールド・アンカー〉
├〈マグネティック・アトラクト〉
├〈マグネティック・ブロウ〉
├〈パラライズ・ナーヴ〉
├〈アポート〉
├〈ストレージ〉
├〈テレポート〉
├〈ショート・ジャンプ〉
├〈ディメンション・ゲート〉
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