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118.ああもう長期戦かよ!

放置はもう無理だ。

炎神アグニレブレの攻撃が激しくなってきていた。


水平斬りを連発し、炎で枯れ木を焼きながら迫り来る。


「『紅蓮』、イケイケ『紅蓮』んんん!!!」


巨大な盾によるシールドバッシュは、やはり亡神アクアガンドを巻き込みながら俺たちの戦場に叩きつけられた。


「〈アブソリュート・ゼロ〉!」


アクアガンドの霧を晴らし、『紅蓮』のシールドバッシュを【縮地】で回避した。


アンデッド化した亡神アクアガンドとは長期戦になる。

先に『紅蓮』を無力化した方がいいと判断する。


だが、恐らくは一時しのぎにもならないだろう。

炎神アグニレブレが自分の機体を修復できないわけがない。


ならばアグニレブレも殺すか?

しかし亡神となったアグニレブレがどのように変貌するか予想もつかない。

風神と水神の例を見るに、厄介な方向へ強くなることは確実だ。


……やはり亡神対策が必須にして先決だな。


戦いの中でイメージを確定させる。

対アンデッドの術、それはやはり無銘の霊刀の影響を受けずにはいられなかった。


「〈破邪の蒼〉!」


俺の『百我-改』が青く輝く。

無銘の霊刀を降ろしたときのように、その蒼こそがアンデッドを屠る破邪の輝きなのだと強く念じる。


「〈疾風迅雷〉!」


〈破邪の蒼〉を纏った一閃が亡神アクアガンドを斬り裂く。

ごっそりと肉塊を削り、魂も滅却する。


やはり無銘の霊刀を参考にしたのは正解だった。


亡神、恐るるに足らず。


ならばもはや炎神アグニレブレを生かしておく理由もなくなる。


俺は『紅蓮』に向き直り、


「〈ショート・ジャンプ〉、〈練気〉〈神気一閃〉!」


短距離転移からの一撃は『紅蓮』の剣を持つ腕を半ばから斬り落とす。


「〈疾風迅雷〉〈疾風迅雷〉〈疾風〈迅雷」


破壊を早める。

『紅蓮』の真っ赤なボディパーツがバラバラと砕け宙に舞い溶けて消えていく。


「お、俺の『紅蓮』が……ッ!」


「爆ぜろ、接射〈風神弓〉!!」


至近距離から大量の矢をぶち込む。

用意した弓の数は百余り。


とうとう『紅蓮』は爆発炎上し、中から炎神アグニレブレが転がりでた。


「くそ、まさか『紅蓮』が破壊されるとは……だがこの俺が、このままやられるなどとは――」


「〈ショート・ジャンプ〉、〈神気一閃〉!」


青い輝きを纏った『百我-改』がアグニレブレの首を落とす。


大量の魂と死した肉体。

条件が整い、亡神アグニレブレが誕生する。


どんなことをしでかすのか見守る必要はないだろう。

手早く滅ぼすのが最良だ。


「〈破邪の蒼〉〈神気一閃〉!」


アグニレブレの胴体を縦に両断する。


しかしそれは、


「その死に方は、芸術的ではない!!」


亡神アグニレブレの頭部に否定された。


……しまった、あちらが亡神なのか。


水神は胴体の方が亡神となったため、てっきり炎神も同様かと思いこんでしまった。

動き出すまで待つべきだったのだ。


「再構築する――不死鳥の如く復活せよ、『ネオ紅蓮』ッ!!」


なんだその安直なネーミングは!?


しかし名前など関係ない。

異形の機械が亡神アグニレブレの頭部を核として生み出される。


「新生、これが『ネオ紅蓮』だッ!!」


亡神アグニレブレの顔を中心にした機械仕掛けの球体。

どこにも『紅蓮』の面影はなかった。


やはり『芸術』の神格が反転した影響だろう。

あのスタイリッシュな機体の後継機とは思えない変貌ぶりだ。


『ネオ紅蓮』から生えた機械の腕がワシャワシャと動く。

腕の先端から冷凍光線が発射された。


どうやら『炎』の神格を反転させた攻撃らしい。


しかし亡神アグニレブレはいまひとつ強くないようだ。

亡神アクアガンドほど無茶苦茶な変貌は遂げていない。


これならば、


「〈破邪の蒼〉〈神気一閃〉!」


「馬鹿な、俺の『ネオ紅蓮』が……!」


倒せる。


機械部分も奴の神気、即ち魂であるから、ごっそりと削り取られた部分が再生したりすることはない。

失ったら失っただけ、壊れていく。


しかし白い濃霧を纏った亡神アクアガンドから遂に槍が発射された。

向こうは順調に進化しているようで何よりだ。


いま、どちらも滅ぼしてやるからなッ!


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