第7話 二日目と毛皮と飛行と爆発 中編
前回のあらすじ
爆発物を持った変態
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10分後、、、、
「どうしました?♡ 先ほどから元気がないですよ?♡」
「クソッ!」
こいつ、、言っている事は頭がおかしいとしか言えないが間違いない、、、
強敵だ。
「やはり私の異能力『彫刻の愛には、どんな者でも勝てないという事が証明されましたね♡』」
どうやらこいつは異能力持ちらしく、おそらくだが「物を爆発させる能力」を持っている、、そして、未だに魔法少女としての『魔法』を使おうとしていない。だが、近付こうとしても足場が爆発し、近付く事ができない。異能力だけで十分という事か。
しかし人は爆発させる事は出来ないようだ。できるならとっくに俺を爆破しているだろう。
(!)
ビルの上から人が一人、血を流しながら落ちてくる。助けなければ。
そう思い、その人に指先が触れた瞬間ーー
「爆破♡」
その人間が、爆ぜた。比喩表現ではなく、本当の意味での『爆ぜた』だ。
「あははははははは♡♡♡」
「驚きました? 私の能力、工夫すれば人も爆弾にできるんですよ♡」
「てめえッ!!」
魔法少女とは無関係な人まで巻き込み、あまつさえ道具としてこいつは利用してきた!!、、、道具?
俺は一瞬激昂するが、すぐにある事に気付き、冷静になる。
「お前の能力のタネ、分かっちまったよ」
「ん?♡ だからさっきから言ってますよね? 「これは異能力です」って♡」
少女は「わざわざ言うのが面倒臭い」といった態度で俺に説明し、俺もその説明に頷く
「ああ」
「あははは♡やっ「でも、お前は魔法少女ではない」
少女が「やっぱり♡」とでもいいそうな所を遮って話を進める。
そしてみるみるうちに少女の表情が悪くなる
「違う、私は一人、私は一人、、、、」
とブツブツ何かを言った後、全ての爆破可能地点を爆破させる。そして、その中には少女の足場も含まれていた。建物が崩れ、少女は瓦礫に埋まる
「あとはお前だけだな。出てこいよ」
「、、、」
黙って路地から一人の魔法少女が出てくる。そして俺に聞いてくる
「どうして二人組んでいる事が分かった。」
「きっかけはホテルから人が飛び降りたときかな。落ちている最中なのにすでに血が流れているのはおかしいだろう?」
「他にも妙なほど魔法を使わなかったり、戦い始めた時には明らかに爆発ではない削られ方をしていた。」
「そして、、、、爆発は『削られていた地点でしか起こらなかった』」
「削られている地点でしか爆発は起こせないんだろう?しかしこの石畳の道に無数の傷をつけるのは少なくとも「魔法少女」や「斬撃系の能力者」じゃない者には厳しいだろう」
「お前の『魔法』は、斬撃系、、、爪の強化ってところか?」
「探知した時に反応が一人だけだったというのも、最初は騙された」
「お前は爆風で身を隠し、バトル中に淡々とあらゆる場所に「傷」を付け続けた。」
「さながら、あいつが「一人でこの爆発を仕掛けている」かのように見せつけていた」
「つまりはどちらも半人前、二人組む事で一流に見せかけてただけの雑魚」
そして俺は推理の答え合わせを終える
「縮地!!」
能力の補足
「彫刻の愛」削られた物を爆発させる能力
ただし削られた瞬間を見ていた物しか爆発できない。