第6話 二日目と毛皮と飛行と爆発 前編
朝起きると、俺は謎のふわふわとした質感に埋もれていた。一瞬驚くが、すぐに理解して胸をなでおろす。
「フォンか」
「起きましたか。我が主人」
どうやら先に起きていたらしい。カッコつかないな。
「とりあえず神から貰った荷物の確認でもするか。」
昨日はいろいろあって手紙も全部見れていない。こういう物は早めに確認しておくに限るのだ。
『リュックの中には数日分の食料と水が入っていますが、グリフォンが使い魔ならあまり必要はないでしょうね。アドバイスですが、ここから西南に大きな街があるのでそこに行ってみるといいです。お金もある程度入っているので、しばらくは生活に困らないと思います』
素直に嬉しいな。強いて言えば地図やコンパスが欲しかったが、こちらにはフォンがいる
「なあフォン、ちょっと飛んでくれるか?」
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ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッッッッッ!!!
「はやっ!!」
さすがグリフォン、10分もせずに街を見つけてしまった。 しかし、位置が高い。 高所恐怖症という程では無いがここまで来ると原始的本能が危険を告げて来る。
「着きましたぞ」
街の入り口に着いた。が
街がやたらと騒がしい。それも大勢が入り口の付近にいる。、、、分かった
「俺ら、、、相当目立ってるよな?」
「そうですね」
フォンは割と平気そうだ。慣れてるのか?
そこに、まさにドタドタという擬音が似合いそうな走り方で、小太りのなんだか偉そうな人がやってきた。
「ど、どうぞお越しくださいました!私は市長の、、、、、、、」
話の9割がお世辞でできた挨拶を聞き終わる。話をまとめるとこの人は市長で、グリフォンとそのグリフォンを使役している俺をVIP扱いするらしい。どうやらここら一帯はグリフォンの強大さゆえに『グリフォンを手厚くもてなした者には幸運が舞い降りて来る』という迷信(?)のような物が深く考えに根付いているらしい。
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「それでは、」
あれよあれよという間に俺はホテルの一室にいた。フォンはホテルに入らないので外でもてなされている様子だ。
昼と夜も同じような待遇で、飯は高級そうな料理が食べきれないほど運んでこられる。
フォンの分はもっと多いだろうし今頃調理場は地獄のような形相になっているのだろう。
夜も最高級のベットで寝られる。フォンの毛皮とはまた違う感触だがこれも良い。
「寝るか、、、」
あまりにも心地よい寝心地で、すぐ寝てしまった
しかしその平穏は、突如として終わりを告げる。
ドガアアアアアアン!!!
大きな音が響き渡り、辺りに砂ぼこりが舞う
周囲を確認すると、どうやら建物が半壊しているらしい。爆発物か?
「変身!」
破損した部分から周辺の外を見渡す。そして見つける、やはり魔法少女。探知しても一人だけのようだ
「どうも♡ あなたを夜這いしに来た魔法少女ちゃんです♡」
これまた随分と下品な奴だな、、
「随分と大胆じゃないか、こんな大勢を巻き込んで」
「大胆な告白は女の子の特権ですよ?♡」
「そうか、今回は容赦はしないぞ。」
「こちらもそのつもりですので♡」
そうか、なら最初から全力だ。
そして、バトルが開始する