第2話 転移後とペットと魔法少女と手紙
「クォクォア、、?」
目覚めた時、俺は森の中にいた
「目覚めたか。わが主人」
声に反応して後ろを振り向くとそこには巨大なバケモノがいた。
「うわああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
俺は逃げた。まだ慣れていない体が度々転びそうになるが、それでも走る
走る
走る
走る
どれだけ走っただろうか。体力も限界に近づき、ふと周りを見渡す
「ここまでくれ「ご主人」
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!! ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」(脱糞音はイメージ)
もう終わりだ。そう思った、、、、、、、、、ん?
ご主人?
「もしかして、神が付けてくれた使い魔って、、、」
「神が付けた云々は私には解りませぬが、少なくとも私が使い魔である事は確かです。」
これが使い魔!?
使い魔と名乗る化け物は隆々とした手足、力強く光沢する立派な嘴、ライオンを彷彿とさせる鬣、旅客機程度なら軽く圧倒できそうな巨大な翼が生えていたのだ。 おそらくグリフォンと呼ばれる種族なのだろう
しかし俺は主人としての(今更だが)格好を示すためにあえて大きくは驚かずに言う
「その背中に乗っている物は何だ?」
「ご主人が目覚める前にとある人物が「お前の主人に渡せ」とだけ言って、私に渡してくれました」
中身が詰まったリュックと手紙。一体誰からかと思っていたが手紙に宛名が書いてあった
『神より』
さっきの神か、、神というだけあるしきっと天使か何かを使いにでも出したのだろう。どれどれ、、
『グリフォンには驚きました? できるだけあなたがびっくりするような物をチョイスしたと思っているのですが。天界からあなたを覗かせてもらっていますので、いまあなたがこの手紙を読んでる頃にはきっと腹がよじれるくらい笑っているでしょうね!』
ふざけんな!(声だけ迫真)と言いたいところだが、ぐっと抑えてさらに続きを読んでいく
『冗談はここまでにして、この手紙を書いた理由を教えます。あなたが異世界へ降りた瞬間に気づいたのですが、あなたはどうやら「魔法少女」だったようです。』
魔法少女!? あの神は「冗談はここまでにして」の使い方を知っているのか!? 明らかに俺は男だ、現世も男だったしこの世界での姿もどうやら男、魔法「少女」ってんだし最低限性別は守るべきだろう!?
『驚いているかもしれませんが、この世界における魔法少女は必ずしも女性がなるものではありません。素質さえあれば年齢も性別も生まれも関係ありません。試しに頭の中で「変身」と言ってみてください』
この神のおふざけに付き合うのも癪だが、自分が魔法少女ではないと証明するために頭の中で叫ぶ
(変身)
「ご、、、、ご主人!?」
一体何事だ、いきなり困惑した声を出したグリフォンの方に振り向いてみるとその嘴には派手な格好をした少女が映っていた。 少し訂正しよう。 俺が映るべきはずの部分に派手な格好をした少女が映っているのだ。俺はつい言葉に出してしまう
「これ、、、、マジ?」
グリフォンも便乗する
「マジ、、、、みたいですね、、、、」
どうやら俺は魔法少女だったのだ