閑話 神と天使とその後
===============天界================
「あの、、、、神様?」
ワンピースのような服を纏い背中に羽を生やした、見た目上は妙齢の女性 俗にいう天使だろう
が近くに居る存在に話しかける。その存在は天使よりも明らかな格上、神という存在である。
神は近くの天使がその人物について何か言おうとして居るのだろうと推測する。
「何?」
「さっきの人、魔法少女について説明を聞き終わる前に転移していっちゃいましたよね!?」
「そうだね」
存在はいけしゃあしゃあとした態度で話すが、実際は神も内心穏やかでは無かった。
「もう少し心配とかしてはどうなんですか!? あなた一応神ですよ!? 」
「一応って言うなよ、、こっちだって心配はしているさ。けどまあ魔法少女なんて世界中にそう何百人もいるわけじゃないし、普通に暮らしていれば対峙するなんてことないでしょ。
能力者も数こそ魔法少女よりかは多いけど戦闘に少しでも利用できる奴の方が少ないんだからなんとかなるって。結局あーだこーだ言っても僕たちは現世に直接干渉できないんだし」
神は心なしか小さな声で言う
「それに、あんまり喋りすぎるとこっちの身も危ないからね」
「ああ、、」
天使は納得したような声と共に頷く
「『あいつら』にとって今転移させた奴が路傍の石でも、僕たちは常に狙われているんだ。
メリットとリスクが伴っていない」
「そういう事でしたか、、、」
天使は完全に納得し、どこか彼方を見るような視線と共に言う
「もし彼が『あいつら』に関わったらどうします?」
「どうしよう、、、面倒な能力付けちゃったかなーー、、、、、、」
「まあ過ぎた事はどうしようもないですし、こっちはこっちのするべき事をしましょう」
「そうだね」
神と天使は終わりのない議論を早々に締め、日々の業務に戻る。
たとえ神でも未来なんて不確定な存在は推測しきれないのだ